「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

放射線の影響から身を守るために

2011年03月22日 | 脱原発
 昨日は雨が降り、関東地方の放射線量の数字が通常の2~3倍に上がり、子どものところには外で雨に当たらないように注意した方がいいと連絡した。福島県と茨城県の牛乳やホウレンソウから国の暫定基準以上のヨウ素131やセシウム137が検出された後、周辺の栃木県や群馬県のホウレンソウなどからも検出され、福島の飯舘村では水道水からも基準値以上の放射性物質が検出されたとのこと。本当に、3月11日以降、私たちは常に目に見えない「放射能」というものを意識せざるを得ない日々になってしまった(無味無臭といわれているけれど、中尾ハジメさんの『スリーマイル島』によれば、スリーマイルの事故後、空気に金属の味がしたという住民の証言もある。ちなみに、スリーマイル事故はWikipediaでは「住民や環境への影響はほとんど無かった」とされているが、この本を読むと、実際にどういうことが起こったかということの一端が分かる)。
 ヨウ素131やセシウム137が検出されたホウレンソウなどを、政府やマスコミはCTスキャンやレントゲンと比較して、食べても「直ちに健康に影響がない」などと言いつつ、4県では県単位で出荷停止措置が取られるようになった。今朝のニュースでは海水からも検出されたとのことで、今後、海産物への影響も懸念される。「直ちに」と言われたら、将来のリスクは否定していないわけで、不安はぬぐい去れないのは当然で、実際のところどうなのかという正しい情報が欲しい。

 ネット上にはさまざまな情報が出回っているけれど、市民の側から見て、チェルノブイリ支援にかかわっているNPOなどの出している情報は、現実の医療支援などを通じて得た知見に基づいているので信憑性があると思っている。例えば伊那谷の仲間がかかわっているチェルノブイリ救援・中部では放射能の影響から身を守るためにという分かりやすい資料を公開している。
 政府やマスコミがレントゲンなど医療放射線と比較するのは、放射線と放射性物質、放射能を混同している。そういう批判が多くなされて、多少は改善されているのかもしれないけど、基本的に少し離れた場所や食品などで問題になるのは、ヨウ素131やセシウム137などの放射性物質を呼吸や飲食で体内に取り込むことにより、常に放射線を受け続けることになる内部被曝だ。
 食品汚染についていえば、一つは国の暫定基準そのものが、チェルノブイリの時と比較して、かなり高い。チェルノブイリの時の輸入食品の制限値が確か370ベクレルだったと思うけど、今の暫定基準値は2000ベクレルだ。特に乳幼児は成人に比べて、はるかに影響を受けやすいので心配だ。風評被害で4県全体で出荷停止というのも厳しい話だけれど、ヨウ素131が1万ベクレルを超えるような可能性のあるホウレンソウを、政府が何を言おうが、やはり子どもには食べさせてはいけないはず。よりきめ細かなチェック体制を敷いて、「風評」と実際の汚染をクリアにしてほしい。
 被災地に救援物資が続々届き始めて、場所によっては保管場所がいっぱいになってきたところもあるらしいけれども、一方で、今朝のテレビでは、いわき市には救援物資が届かないと言っていた。30kmの屋内退避エリアや、その周囲でも放射線レベルの高いところに残っている、避難できない人たちが本当に心配だ。特に乳幼児や妊婦は、国の責任で安全な場所に避難させるべきだと思う。

 各県ではホームページで放射線量を公開していて、その各県の情報を文科省が集約している。それを見やすくグラフにしてくれているサイトもある。R-DANなどの探知機を持つ市民による観測情報もGoogleマップ上に公開されている。いたずらに不安をあおるのはどうかと思うが、無用な被害はできるだけ避けられるように、正確な情報を探しつつ、みんなで共有していきたい。

追記
 全国の水道水の中に含まれる放射性物質のデータも出ている。
 こちらの「放射能への対処法」もQ&A方式で分かりやすくて参考になる。

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