「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

内部被曝の影響

2011年07月08日 | 脱原発
 少し前になるけど、6月28日にチェルノブイリ救援・中部の河田昌東さんの講演会に行った。そして、昨日は松本市で国連軍縮会議のプレイベントとして行われた池田香代子さんの講演会に行ってきた。池田香代子さんの講演会のテーマは「世界がもし100人の村だったら」だったけれども、3・11後、「hahako」という母子疎開の支援をされたりしている池田香代子さんだから、やはり原発事故絡みの話から始まる。
 内部被曝についての話では、池田さんは控えめに、マスコミ等でよくいわれているICRPの「100mSvで0.5%癌死が増える」という数字を挙げて、しかし、それは年齢によって感受性が違い、子どもたちはもっと大きな影響を受けるのだという話をされた。これについては、しきい値があるとする学者、ないとする学者もいるし、さらに、癌死の割合はゴフマンの1万人シーベルトで4000人など、もっと厳しく見積もる研究者もいる。原発を推進・維持したい勢力が言う数字が甘すぎる数字であることは自明であり、子どもたちを守るためには厳しめの数字で考えておきたいところ。でも、いずれにしても、癌死の話。
 先日の河田さんの話で衝撃的だったのは、チェルノブイリの経験から言えば、問題は癌だけではないということだ。チェルノブイリ事故後には、心臓病、脳血管症、糖尿病、先天異常など、さまざまな病気が増えたそうだ。癌や白血病などは1割以下だという。免疫力が低下して、感染症も増えた。もちろんそれは公式にはチェルノブイリ事故の影響だということは認められないだろうけれども、確実にそうした病気が増えており、癌だけを取り上げるのは間違いだというお話だった。放射線がDNAを損傷するといわれているが、そのメカニズムとして、放射線が直接的にDNAを破壊するだけでなく、水分子を壊してフリーラジカルを発生させ、それがDNAを損傷する。つまり、放射線の影響の一つは、フリーラジカルによって加齢を促進することだとも言えるとおっしゃっていた。 (チェルノブイリの犠牲者は、WHOの公式見解の4000人ではなく、100万人近いとする研究結果も報告されている)
 そんなことを考え合わせると、やはり低線量といえども、内部被曝はできるだけ減らした方がいいに決まっている。そのためには食品の基準が重要で、ウクライナではチェルノブイリの経験から内部被曝の重要性が分かって、飲料水は2ベクレル、パンは20ベクレル、イモは60ベクレルといったように、たくさん飲食するものは基準を厳しくしている。ところが、日本のセシウムの暫定基準は飲み物200ベクレル/L、野菜500ベクレル/kgと、あまりに機械的。そんな緩い値では、基準値内だからといっても、子どもたちには安心して食べさせることはできない。そうすると、今の状況では、とりあえず産地で選択するしかなくなってしまい、いわゆる「風評」被害も生んでしまう。でも、例えば自主基準50ベクレルを決めた福島の生産者のグループなどもあるそうで、本当にきめ細かな測定体制が望まれるところ。

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