「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

祝島

2010年01月21日 | 脱原発
 昨日は大寒だったけれども、まるで春のような陽気で、夜から雨が降り出す。昨日の朝まではうちの周囲はほとんど雪に覆われていたけれども、この暖かさと雨で、日当たりの良いところはだいぶ地面が見えてきた。今朝は何とプラス7度。でも、この後は再び寒さが戻ってくるようで、明日の朝の最低気温の予想はマイナス7度。

 昨夜は、山口県上関町の原発建設に反対して、昨年行われた埋立準備作業に対して抗議行動をしたりしてきたシーカヤック隊の若い人が来て現地の話をしてくれるとのことで、出掛けてきた。原発予定地の目の前に当たる祝島では島民の9割が原発建設に反対しているそうだが、一昨年、山口県知事が中国電力に対して公有水面埋立免許を交付、昨年9月に、祝島の漁船やシーカヤックの隊の人たちが抗議行動をする中、埋立準備作業(ブイの設置)が強行されたとのこと。

 ちょうど少し前に発行された「なまえのない新聞」の1月号で、祝島で映画(「祝(ほうり)の島」を撮っている纐纈(はなぶさ)あやさんのインタビューが掲載されていた。纐纈さんは映画を撮る理由を「祝島の人達の姿や生き方を見ていると、私自身がどう生きていきたいか、どういうふうにこれからの世界、未来につながっていけばいいのかというのが見えてくるような気がするんです。祝島では原発建設にまつわることも含めて現在進行形でいろんなことが起きていますが、それだけではなくて、島の人達の生活にはこれからに通じる希望の光が見える(笑)、そう感じるんです」と語っている。原発がテーマではないと。島の経済を支えているのはお金ではなくて、まずは目の前の豊かな海と、島という限定された中で相互扶助やあるものを分かち合う信頼関係であり、お金より大切なものがあるということを、理念ではなくて、そうやって島の人々は毎日生きているのだと。
 昨夜の彼の話にも、やはりそういう世界に通じる話が多くあった。付け加えれば、ネットで書くと言葉が一人歩きしてしまうので、自分は直接話はするけれども、ネット上には書かないし、皆さんも書かないでくれとも言っていたので、彼の話の具体的内容については触れない。

 仕事では、原発を推進する立場の人たちの話を聞くこともある。推進したい人たちにとっては、彼らは彼らなりの論理で原発は必要であると考えていて、日本は原発の比率を今よりさらに高めなければいけないと思っているのだから、新規立地があちこちで頓挫しているのは本当に頭の痛い問題なのだろうと思う。原発を推進したい人たちと現地で反対している人たちの間の根本的な違いは、やはりこのお金に対する考え方にあるのではないかと思う。世の中にはお金に換えてはいけないものがあるのだという現地の人たちの思いを少しも理解しないで、補償金というお金で解決しようとするやり方を続けても、溝は埋まらないと思う。

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