「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

第13回リニア対策委員会

2016年02月05日 | リニア新幹線
 今日は11月20日以来の久しぶりのリニア対策委員会が開催された。今回はJR東海、県、中部電力も出席しての会合。初めに中部電力から、現地調査を経ての送電線ルート案が示される。8月の第9回の対策委員会で示されたルート幅の中の南側、北側を通る二つの机上検討案のうち、村中心部の視点場から遠くなる南側のルートで、鉄塔の数をできるだけ減らし、また線下伐採をして鉄塔の高さを低くした場合のフォトモンタージュが示され、また地中化した場合の検討案も示された上で、改めて架空線としたいという説明だった。70名ほどの地権者の9割以上が架空線を承認しているとの説明もあった。フォトモンタージュの視点場が小渋橋、大西公園、博物館、上蔵だけだったので、南側の集落から見たものも示してほしいと前に言ったと思ったが、地権者からそういう要望はなかったとも言われてしまった。大鹿の景観は地権者だけのものではないのに。
 次にJRから、道路改良、南アルプストンネル工事に関する、JR側がこうしたいというスケジュール案の説明があった。道路改良計画や国道152号線の迂回ルートの考え方を示す住民説明を今年度末~28年度初めにかけて、道路改良と南アルプストンネルの工事説明会を28年度前半の早い時期、そして工事の着手が28年度の前半からという図が示されたが、驚いたのは小渋線の拡幅・トンネル工事よりも先に南アルプストンネルの工事が始まる図になっていたこと。「住民の理解と同意」が着工の前提というこれまでの話から言えば、道路改良や迂回ルートなどの納得のいく説明がなされなければ、到底、本体工事の説明会は受け入れられないし、小渋線の道路改良着工より前に本体トンネル工事着工なんて、どう考えても順番が逆だ。小渋線の道路改良については県議会での承認に向けて準備中ということで歯切れの悪い説明に終始して、委員からだいぶ不満の声が上がった。これはあくまでJR側が希望するスケジュールであって、「村民の理解には時間がかかる」と村長が最後に釘を刺していた。
 
 説明と質疑の後は、JR、県、中電は退席し、委員だけの話し合い。まず前回保留となっていたリニア工事車両が住民生活に及ぼす影響調査アンケートの実施について。これまで対策委員会としても、工事車両が住民生活に重大な影響を及ぼすとの認識のもとに道路改良を求め続けてきたのだから、ここまで進んできた今の段階で実施するのはいかがなものかという否定的な意見が多く、対策委員会としての実施は却下された。

まず県道赤石岳公園線を改良 JR東海がリニア建設工事日程案(中日新聞)

 このアンケートは阿智村の社会環境アセスメントで実施されたアンケートを踏まえた内容のものだったが、昨日その社会環境アセス委員会の最終会合と報告会が阿智村で開催され、傍聴してきた。阿智ではかなりの費用もかけて、交通量調査や住民アンケート、ヒアリング調査などを行った上で報告書をまとめている。今後JRとの協議にどう生かされていくのか注目したい。

工事車両削減など求める 阿智 社会環境アセス委報告書(信毎Web)