AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6692:感染

2024年06月27日 | ノンジャンル

 「確かに、何だか見通しが良くなったような気がする・・・」

 グレン・グールドがその死の前年に録音したバッハのゴールドベルク変奏曲を聴きながら、そう思った。

 「アリア」から始まり、第5変奏曲まで聴いて、一旦曲は停止された。

 「では、無い状態で同じ曲を聴いてみましょう・・・」と、グールドさんは、CDプレーヤーの電源ケーブルに設置されていた『CNS-7000SZ』を取り外した。

 そして、聴いた。

 「確かに違いますね・・・ケーブルスタビライザーがあった方が空間はすっきりとして、より広がったような感じがします・・・クラシックを聴く方には良いと思いました。」

 「私もあった方が好きなんですね・・・聴くジャンルや音の好みによっては、無い方が良いという方もいるかと思いますが・・・」

 そうグールドさんは話された。

 さらにCDが1枚、NAGARA CDCに新たにセットされた。そして、『CNS-7000SZ』は、再度CDプレーヤーの電源ケーブルに装着された。

 CDは、バーバラ・ボニーのソプラノによるシュトラウスの歌曲が収録されたものであった。

 右脳では天国の空気を思わせるようなバーバラ・ボニーのソプラノに耳を傾けながら、左脳では「これは他のケーブルに使うとどうなるのであろう・・・電源ケーブル以外にも使えそうだし・・・興味深いものだ・・・」と思っていた。

 3曲の歌曲を聴き終えた時、グールドさんに、「声の余韻やピアノの残響音がよりくっきりと聴こえますね・・・これは、他のケーブルに使ってみても、良さそうですね・・・?」と話しかけた。

 「いろいろ試してみたのですが、今のところ電源ケーブルが一番印象が良かったです。プリアンプやパワーアンプの電源ケーブルにも試して同様の効果があったのですが、個人的にはCDプレーヤーの電源ケーブルが一番効く感じでした・・・」

 「そうですか・・・価格は決して安いものではないですが、効果は確かにありそうですね・・・でも、それに気を良くして全ての電源ケーブルに使いたくなると、出費がちょっと大変ですね・・・」

 「そうなんですよ・・・できればプリアンプとパワーアンプの電源ケーブルにも使いたいと思っているのですが、今のところ思いとどまっています・・・」

 その後シベリウスのヴァオリン協奏曲や、マーラーの交響曲第5番などを編成の大きなものも聴かせていただいた。

 やはり空間表現力が上がっていると感じられた。

 「これ、1個欲しいな・・・我が家でも試してみたい・・・」帰る頃には、私も感染していた。

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