YBAは1986年にパリ郊外に設立されたハイエンドオーディオメーカーである。YBAは設計者であるYves-Bernard ANDREの頭文字をとったもので、日本においては知る人ぞ知る的なマイナーな存在ではある。
フランス製らしく、そのデザインは一筋縄ではいかない難解さが独特の魅力となっている。
特に1990年代から200年代にかけての30年ほど前の製品は、YBAにしかない独特の魅力を持っているものが多い。
この時代のYBAのプリアンプやパワーアンプは、できれば一度実際に使ってみたいという気がしているのであるが、現在のアンプの布陣には隙がなく、実際に入手しようとする動機はいまのところない。
昨日、暇な時間にヤフオクを眺めていると、30年ほど前の製品である「OLD YBA」のプリアンプとパワーアンプが出品されているのを見つけた。
プリアンプは「2α Pre II」で、スタート価格は230,000円。パワーアンプは「1α HC」でスタート価格は350,000円であった。
この時代のYBAらしく、一見なんということのない、むしろアンバランスとも思えるデザインであるが、なぜか見ているうちに引き込まれるものがある変わった造形である。
それは往年のシトロエンのデザインをも思わせるもので、「分かる人にだけ分かればいい・・・」といった、割り切りのようなものが感じられる。
この時代のYBAの実物を見たり聴いたりしたことはないが、「プリアンプとパワーアンプをOLD YBAで揃えるとどんな音がするのであろうか・・・」と、好奇心は自然と湧いてくる。
OLD YBAの有する独特なアンバランスな感じ・・・「美は乱調にあり・・・」といった斜に構えたような印象は、我が家の現在のラインナップにおいては、唯一CHORD CPA5000が体現している。
こちらも一見すると「なにこのデザイン・・・バランス、悪っ・・・」という印象を持つが、時間の経過とともにその灰汁が何とも言えない魅力とも思えてくる。
「我が家には『乱調系』が一つあるから、『OLD YBA』は要らないかな・・・」と思いながらも、ウォッチリストに入れておくため「☆」マークは押しておいた。