おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

茨木のり子の詩「六月」

2024-06-19 11:45:34 | 日記
 昨日、夕食を食べ終わりのんびりしていて、ふと窓の外が赤くなっているのに気がついた。朝からずっと雨が降り続き、夕方になってようやく晴れ間が広がってきていたが、どうやら夕焼け空になっているようだ。

 すぐにテラスに出て見ると、日没前の西の空が真っ赤に染まっている。久しぶりに見る夕焼けに思わず見惚れ、すぐにタミちゃんに「夕焼けがすごいことになっているよ」と声をかける。



 夏至も近い。今が一番昼が長い時期である。時計を見ると午後7時半。本来なら梅雨入りしている頃なので、こんな夕焼けが見られるのは実に貴重なのだ。



 しばらく、テラスから実を乗り出すようにして夕焼けに見入っていた。が、10分もするとどんどん辺りは暗くなっていき、夕焼け空も赤から濃い紫色へと変化して行った。

 夕焼けと言えば秋の季語ということになっているが、秋だけが夕焼けがきれいなわけではない。冬でも春でも夕焼けは広がる。女流詩人・茨木のり子さんの詩にまさに今の時期を謳った「六月」というタイトルの作品がある。詩の中で6月の夕焼けが謳われているが、秋の夕焼けと違って寂寥とした感じはないようである。

「六月」

どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける

どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山のごはん | トップ | 中古住宅を内覧する »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kumaneko48)
2024-06-20 04:48:58
綺麗な、と言うより力強い夕焼けですね。
空を、特に雲を眺めるのが好きです。

「六月」 茨木のり子さんの『おんなのことば』の一節にありました。
「知命」を、自分への戒めとしてたまに読んでいます。
返信する
Unknown (kumaneko48)
2024-06-20 07:23:28
綺麗な、と言うより力強い夕焼けですね。 
茨木のり子さんの『おんなのことば』の一節ですね、『六月』
私も手元に置いて、たまに開いて読んでます。
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事