足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

古典的なセオリー通りの展開・・・個別物色にはいる

2012-02-22 07:34:05 | 株式

長時間に及ぶ議論の末、ギシア支援がまとまった。材料は織り込み済みとして相場の勢いは一服。

年初来、NYダウは+6%、ナスダック+13%、日経平均+11%とだれも、こんな短期間に大幅高をするとは予想もしていなかつた。

ここは「小休止した方がよい」というのが日米の市場のコンセンサスになってきた。東京市場でも昨年11月下旬の日経平均8160円の安値からは+15%となったがこの間には50%以上の上昇を記録した銘柄も多いい。東証の時価総額は246兆円から284兆円まで増加した。37兆円の増加でるが、短期間の上昇は投資家心理の好転には役立つ。

目先は短期的に過熱してきたので月初来のような幅広い銘柄の反騰人気は一服するだろう。昨日の欧米の株価はギリシア支援がまとまったのに、上がらなかったのは「ウワサで買って、ニュースで売る」という相場のセオリー通りの動きである。

昨日の東京市場ではグリー(3632)とDeNA(2432)が再び人気の舞台に上がった。こちらの方もグリーのカードゲームの不法使用というウワサで「売り」、会社の対処策のニュースで「反発し」した。グリーにとっては、この騒ぎはSNSゲームには、そんなに人気があるのかという再認識につながるとみる向きもある。

相場の根底に出てきた相場の強いエネルギーの行く先を追いかける相場展開は続くだろう。


中国の金融緩和、ギリシア支援を好感

2012-02-21 07:44:20 | 株式

ギリシア問題が市場の関心事であったが、ブルッセルでのEU圏の財務相会合では1300億ユーロがまとまる方向。EU,IMF,ECB(ヨーロッパ中央銀行)が3月のギリシア国債の償還資金を援助する。ユーロ圏でのムードは一時は7%超になったイタリア国債が昨日は5.46%に下落したことからしても、短期的には落ち着きを取り戻してきた。

ヨーロッパ株が上昇し、中国での準備率引き下げ、日本株の上昇が市場に安心感を与えた。

月曜日はNY市場が休場であった。気になる材料は原油価格が$105に上昇し6ヵ月ぶりの高値になった。イラン問題がくすぶる。

東京市場の上昇が久ぶりに海外の投資家の間では話題になった。日銀の金融緩和策が円安誘導につながったことを評価する。

昨年来、世界の株価を抑えてきた2大懸念材料はユーロ問題と米景気の減速であったが、東京市場ではこれに円高が加わり3重苦を味わってきた。最近の円安への反転が続けば、日本株をアンダーウエィトにしてきた外人投資家の資金が市場に還流することは確実である。

ただ短期的にはテクニカル指標が過熱ゾーンに入ってきたことには注意しなければならない。

日経平均の25日線との乖離率が+6.88%と危険水域の7%に近いし、騰落指数の25日移動平均が130%台の高水準が続いている。

ただ今回は円安基調が継続すれば値幅整理よりも、日柄整理というパターンにあるだろう。


日本株の存在感が復活の兆し・・・新興市場が出遅れる

2012-02-20 07:07:50 | 株式

先週までの日米の株価指数の動きをみてみよう。

日経平均+10.9%、Topix+11.2%,日経ジャスダック+7.6%、マザーズ-4.5%。

NYダウ平均+5.9%、S&P500+8.2%、ナスダック+13.3%。

日米とも加重平均の指数であるTopix,S&P500のパフォーマンスが好調で相場の内容は広範囲にわたっており、投資家マインドの好転につながっている。今回の相場では資金量の市場への拡大基調が続いていることを証明している。

いまひとつ注目されるのは米国ではナスダック指数がNYダウ平均を大幅に上回っておりハイテク関連が相場のリード役になっていることである。代表的なのはアップルで世界最大の時価総額を誇る企業がナスダックをリードしてきた。一時はアップルの上昇を横目でみていた機関投資家も年初来、アップルへの再投資を始めたところが多い。

それにウォーレン・バフェットまでがIBMやインテルに新しく投資するというように、ハイテク株には新しい視点での投資が出てきた。先行きをみるうえでは大いに注目したい動きである。

いま一つの注目点は東京市場でのマザーズ市場の不振である。ここで取り上げた指数では年初来、唯一のマイナスを記録した。特にマザーズ市場に問題があるのではなく、年初来の上昇相場が典型的な金融相場であり、相場の古典的な上昇サイクルでの反騰初期の現象であることだ。現在の金融相場が業績相場につながるなら、かならずマザーズ市場にも資金の流入が期待される。現在の相場の反騰が中期的な上昇サイクルであるかどうかの試金石でもある。個人投資家がリードするマザーズ市場にも資金の流入がみられるようになる。2003~2007年の上昇相場がそうであった。

サイバーエージェント(4751)に注目したい。


円相場の80円台が視界に

2012-02-18 07:55:51 | 株式

NY株は来週月曜日の休場を控えて小幅高で終わった。

今週はダウ平均+1.2%、S&P500+1.4%、ナスダック+1.7%だが、日経平均は+4.8%。

海外ではヨーロッパのほか、エマージング市場も軒並み高。週間では日経平均が+4.8%でNY株を上回った。

相場を押し上げた原動力は円安への転換である。NY市場では79.53円で終わり80円台が視界にはいってきた。きっかけは日銀の追加の資産買い上げで、米連銀の長期的な低金利政策にあと押しされて、久しぶりに積極的な姿勢を示したことだ。

年初来、ユーロ圏での金融不安が昨年に比べて軽減されてきた感じを強くするが、その根底には昨年12月にECB(ヨーロッパ中央銀行)の発動したLTRO(3年物資金供給)がある。新任のドラギECB総裁が打ち出したこの金融政策は、特にヘッジファンドの運用者の間では高く評価された。ユーロ圏の銀行を対象に無制限に近い資金を1%という低金利で3年間供給する。

LTROという日本であまり聞きなれない言葉だが、バーナンキ議長の第1弾、第2弾のQE(金融緩和政策)に匹敵する。前任のトリシェ総裁と異なり、ドラギ新総裁の現実的な行動力として効果がじわじわと出てきた。

週末の東京市場での注目点はこれまでオリンパス、東京電力と並んで市場をけん引してきたSNSゲーム関連の株価の下落である。

グリー、DNAの投資家には欲求不満がつのる人気である。

理由は2つある。市場の人気が円安関連に向かったこと、いまひとつは一部に言われる株価の割高感である。

本日の日経新聞の第1面の「転機の企業収益・迫られる構造改革」のなかで「グリーの営業利益は800~900億円と3倍近くになり米フエィスブックと遜色ない。「非製造業は非効率」。規制や非関税障壁に守られた時代の常識を見直すときかもしれない」という記事はこれからの、日本経済の進路を示す問題提起として注目される。

グリーの今期(2012年6月期)の営業利益は1000億円に乗せる。2月初めの決算発表時に同社の田中社長が「アマゾンはいまやモノのEコマース企業でない」と10年間の企業の変貌と成長の足跡を分析した。グリーが目指すのはアップルやアマゾンが米国の新成長企業のモデルを形成したように、現在の豊かな手元流動性を日本企業の未開拓の分野に投資して次の新しいビジネスモデルを育てることにある。米国で12月に公開されたジンガ(ZNGA)を追い抜き、SNSゲームでは世界一になった。このような視点で株価と経営者を評価すべき時にある。

フエィスブックは数ヵ月以内に公開されるが時価総額は10兆円近いといわれる。グリーの時価総額は5500億円と20分の1である。日本企業で国際的に活躍する数少ないネット企業になる可能性を秘めている。

アップル、グーグル、フエィスブックを追いかける日本企業だ。


ソロスの見方・・・・カルビー(2229)に注目

2012-02-17 05:18:54 | 株式

今週の米バロンズ誌にはジョージ・ソロスの「現在は自分の経験した相場のなかでももつとも深刻で難しい環境にある。したがって儲けることよりも資産を保全することが肝心だ」という言葉が掲載されている。「買い」か「売り」に色分けできないという。

2000年にカンタム・ファンドの経営から手を引き、旗艦ファンドをカンタム・エンドウメント・ファンドというファンド・オブ・ファンズに衣替えをした。それでもリーマンショックの時は、ジョン・ポールソンに倣って企業の破綻を保証するCDSに賭け人生で最大の利益を上げた。

そのソロスが現在の相場に対して語っているのだから、相場の世界がこれまでの循環的なサイクルから構造的な問題を抱え、その分析のツールがいままでの常識では通用はしない相場展開になってきたのだろうか?

新年来、NY株を先頭に昨年、大きく下落したエマージング市場も回復トレンドに入ったが、足元はやや波乱含みだ。

相場のセンチメントを表すVIX(恐怖)指数も月初に17まで下落したが、20前後に逆戻りした。

ウォール街でいわれているのは、インサイダー(主に企業の経営陣)の「売り」が増加してきたのと、個人投資家の強気指数が先週は51%になってきた(AAII指数)。いずれも注意信号である。

ソロスの見方もさることながら、短期的には相場が過熱現象のゾーンにはきていた。

カルビー(2229)に注目。米国ではスナック菓子業界に再編成の動きが出てきた。世界の市場は1060億ドル(81600億円)。これから新興国が大きな消費市場になる。今週は米食品大手ケログがポテトチップスの「プリングルズ」をP&Gから譲り受けた。2100億円を投じた。カルビーの時価総額の1100億円の約2倍である。このような視点からもカルビーには注目できる。

先行きに再評価の動きだ。