NY株には下値抵抗感がみられダウ平均は2008年春いらいの水準を保っている。
第1四半期の決算発表も峠を越し、4半期が2月末に終わる企業の決算発表が始まる。代表例はシスコ・システムズであるが、ハイテク株のシンボル的な存在である。
決算は東京市場でも終幕に入ったが、昨日はDeNA(2432)の発表がった。
目下、株式市場ではもっとも人気のあるテーマで、われわれも今年の人気テーマとして注目してきた。先週は業界のトップ企業になったグリー(3632)のポジティブ・サブライズ決算が発表になっただけに、業界の動向をみる上でトップ・グループを行くDeNAの現状の動向には関心が高い。3ヵ月前の第2四半期は業績発表では業績の停滞が顕在化し、SNSゲーム業界そのものへの懐疑的な見方を生み出すきっかけになった。
DeNAの2012年3月期の見通しはグリーに比べると大きく見劣りするが、4半期ベースでは復調が明確になった決算であった。上半期での自社ゲームの開発の遅れを、第3四半期は取り戻しはじめ、「足元の市場の成長スピードは好調」(会社側)と存在感を強調する内容になった。
特にSNSゲーム業界の人気タイトルは月間で10億円の規模になり、ゲーム業界の常識が大きく塗り替えられてきたことは大きな注目点である。今回の決算でDeNAに関する悲観人気は薄れるだろう。押し目買い人気に転換するとみる。
ウオール街ではSNSゲームのジンガ(ZNGA)が大商いで、先行きに強弱観が対立している。