足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NYダウ平均が2万ドルに乗せる・・・米バロンズ誌が紹介

2008-03-25 17:45:08 | 株式

今週の米バロンズ誌に、投資家の気持ちを奮い立たせる記事が掲載された。

“ダウ平均20,000ドルへの対応は出来ましたか?”

先週末のダウ平均は12361ドルであったから、現在の水準から61%も上の株価水準である。

ストラティジストのジェームズ・ファイヌケンの見方を紹介する。

彼は相場の天井を予測するよりも、大底を当てる方がやさしいと主張する。

その一部を紹介すると・・・

     投資家の手持ち株の売却と資金の積みあがり

     恐怖に等しいセンチメント

     MMFの残は20033月が22000億ドルであったが、現在は34500億ドル

     米国の国内株投信からの資金の流出は10ヵ月連続(1987年のクラシュ後は8ヵ月)

     消費者の信頼感指数は17年来の低水準

というように(弱気のセンチメントやデータをほかにも多数あげている)、市場を取り巻く材料は“これ以上、もうたくさんだ”というぐらい数え切れない。

株式相場が大底にきており、「すでに上昇を始めているか、底練りがあっても知れている」としている。

広大な米国市場のなかではあるが、このような見方をバロンズ誌が載せるようなムードになってきたことには注目したい。


相場は小康から上昇へ・・・配当取り作戦

2008-03-24 18:53:07 | 株式

先週から東京市場でも基調の変化に期待する見方が少数意見であるがアナリスト中に出てきた。

一番、大きな理由は先週のベアスターンズ以来、サブプライム問題に意外性のある悪材料が途絶えてきたことである。これで峠を越えたとはいえないが、これまでの政府と連銀の政策が効を奏し始めたのか?

東京市場でも外人売りの一巡がいわれ売り物が細ってきている。外人投資家のなかには、大幅に減らした日本株のウェイトを増加させる動きも出てきているようだ。

今週、注目したいのは任天堂(7974)である。明日(25)3月決算の配当取りの最終日である。いくらの配当になるかはわからないが、最近の会社四季報では11190円となっている。

同社は営業利益の33%か、純利益をベースにした配当性向50%を株主に約束している。今回は円高で営業利益の33%が適用されるだろう。

東洋経済の予想をとると1,050円ということになる。昨年9月末に140円の中間配当を出しているからである。

おそらく相場の地合がよければ1日で埋めるだろう。

配当取り戦略の有望銘柄とみる。


来週の権利取り作戦

2008-03-21 16:08:51 | 株式

今週の連銀の0.75%の利下げと平行して、連銀が先に決めた2000億ドル(20兆円)の資金供給の一環として、750億ドル(75000億円)での住宅担保証券の買い上げを決めた。

今回は格付けの低い商品も対象に加える。

銀行の貸し渋りと、政府系の住宅抵当証券の関連企業であるフェニメィ、フレディマックを対象にした政策である。

利下げとセットにした動きであるが、連銀と政府との連携プレーだろう。日本と異なり連銀と財務省の間には溝がなく、政策の発動もぴったりと息が合っている。

結果として今回の0.75%の利下げは1.00%でなかったのがよかった。

ユーロ、円相場の上昇が一服した。石油、金相場が反転し、下落トレンドにはいっいた。その動きがほかの商品相場の頭を抑えた。

このまま金相場が天井を打って下落トレンドにはいることはないと思うが、いったんは調整局面にはいるだろう。

今週初め、カナダの有名なBCAリサーチが「目先は短期の上昇相場の最終局面にある。しかし米連銀がリフレ政策(通貨膨張策)をストップしないかぎり金相場は上昇する。またヨーロッパ中央銀行が利下げ政策に転換するときがヤマ場だ」とレポートした。

さて目先の銘柄であるが新興市場のフルスピード(7159・マ)に注目したい。

インターネット株も世代交代の時期を迎えている。

これまでのヤフー、楽天、サイバーエージェント、GMOなどから、新しい成長株が生まれてきた。その一つがこの株である。

3月末で15の株式分割を行う。25日が権利落ち最終日である。権利をとる方針で投資を考えたい。


米連銀と市場の見方の開き・・・どちらが正しい?

2008-03-20 21:33:58 | 株式

18日の連銀FOMCでは事前の予想を裏切って利下げ幅は0.75%になった。

メンバーの内の2人が利下げに反対票を投じたようだから、人によっては0.75%の利下げをしなくても、米国経済は大丈夫という見方もでてきた。専門家の見方だけに無視できない判断ではある。

市場はベアスターンズの破綻いらい利下げ1.00%で一致したが、それに同調しなかったには「いままでの利下げで景気には十分に下支えになる」というのが、連銀のメンバーのコンセンサスであった。

市場と連銀の間に、現状認識と景気の先行きの見方に開きが出た。

それよりもインフレ懸念のほうにもメンバーが注目しはじめた。

この決定を受けて石油、金相場が下落した。さらなる過剰流動性を見込んでいた商品市場が、連銀のインフレ懸念のほうに、商品市場の参加者の関心が傾いた。

現在のヘッジファンド、投機家の勝利者の一つは商品相場に大きく賭けていた人たちである。昨年9月以来のどの声明文よりも、今回の内容がインフレに関心を持ち出したと、このグループの人たちは判断した。

連銀の内部では今回の利下げ幅に関して「1.00%よりも、0.5%か0.75%か」ということに

集中したようだ。このまま石油、金にバイアスを置いた投資に対しての、一部に反省人気が出た。

それが昨日のNY株が大幅に下落した理由であった。

連銀は世界のどの調査機関よりも米国経済に対しての情報をもち、先行きを判断する能力でも優れている。

今回の0.75%の利下げをみて「次の連銀FOMC(428~29)は、緩和サイクルの最終局面に入った」という視点で議論がなされるだろうとみる向きがふえてきた。

市場の株価、金利、景気についての見方も割れてきた。

当面の株価の波乱は当然である。


ウォール街でビザが公開・・・市場最大の金額

2008-03-19 16:41:49 | 株式

今夜のウォール街では世紀のIPO(新規公開)が行われる。カード会社のビザ(株価シンボル=V)の公開である。

世紀というのは公開価格の$44で計算した市場からの吸い上げ金額が179億ドル(17900億円)になることだ。これまでの記録はITバブルのピーク時であった2000年のAT&Tの公開の110億ドル(11000億円)だ。

この市場の悪気流のなかでの公開に首をかしげる向きもあるが、同社はマスターカードを抑えて世界最大のカード会社であるし、サブプライム問題の圏外である。顧客への債権の未回収は窓口の銀行が負担する。それに消費者への与信行為(貸付け)は一切やらない。顧客の獲得、カードの決済システムの運用と保守である。

今後も売上の成長率は年20%弱が期待されている。

営業利益率は30%と高い。

有名なウォーレン・バフェットは世界第3位のアメリカン・エクスプレスの大株主で1990年代に株主になった。2007年末のバークシア・ハザウェイの年次報告書によると、所有株式の金額は投資銘柄の第2位である。トップはコカコーラである。

ビザの公開に先駆けて2年前にマスターカード(MA)が公開し、公開後、株価は4倍になった。公開後、$40台で買えるなら長期投資で注目したい。