ソフトバンク(9984)が中間決算を発表した。
先月23日のナンバー・ポータビリティー(MNP)時に受付が混乱し、ほかの携帯電話会社へ影響を与えるとともに、料金体系の誇大宣伝を指摘され大きな話題を呼んだ。
それだけに本日の決算発表は投資家の大きな関心事であった。
孫社長は混乱の原因を謝罪するとともに、受付は正常に復帰したと語った。
11月に入ってからはMNPによる増減を加えても、加入者の純増数が7日現在で2万8000件と10月の月間の純増数23,800件をすでに上回った。
また中間決算では連結営業利益が1125億円と予想(会社四季報)の650億円を大きく上回った。EBITDA(純益+金利+償却+のれん代)は2284億円(前年同期・996億円)と増加した。
1年前の中間決算では初めて営業利益が黒字化した。同社長は「トンネルを抜ける確信は持っていたが、抜け出たきょう現在の気分はまた格別」と語った。
孫社長は「上半期の営業利益が1125億円になったので下半期もこの調子というわけにはいかないだろう」と通期の見通しを2倍にして予想数字を出すことには釘をさした。携帯電話への進出で先行投資的な負担が出る可能性があるからだ。しかし「営業赤字になるような経営はしない」と断言した。
ソフトバンクの株価の反撃が始まりそうである。そういえば昨年も11月10日の中間決算の発表が、相場の上昇のきっかけになった。われわれも強気のレポートを書いた。
2002年に827円でITバブル崩壊後の底入れをしたのは11月であった。
年間の営業利益3000億円も、先行き見えてきた。KDDIへの追撃が始ったとみる。
時価総額はKDDIが3兆2000億円、ソフトバンク2兆4000億円である。