今週の米バロンズ誌になかなか興味のある記事が掲載されてる。
相場の方向性を判断する場合のPER(株価収益率)の位置である。普通はPERは低ければ低いほど投資環境としては好ましいという常識が一般的である。
ところがトムソン・プロプリエタリーのロバート・カイザーによると、「過去の経験則からするとこの常識は間違っている」という。「歴史的にみても株式投資にとって好ましい水準は16.7~16.9倍前後である」という。
「PER15.4倍以下とか、PER19.9倍以上の水準では株式投資にとっては好ましい環境でない」という。
現在のPER17倍は「居心地のよい水準から多少は逸脱しているが誤差の範囲内」と彼は言う。
来年の企業収益がS&P500ベースで+7%になれば、2007年のS&P500は+9.4%上昇するとみる。これまでの通念とは離れた議論ではあるが、投資家心理を分析する上ではなかなか考えさせれる視点である。
さて東京市場だが新興市場の底入れが相場環境を明るくした。ヘッジファンドがカラ売りの新興市場株を買い戻し始めたのか、個人投資家のセンチメントが好転してきているのか。先週がセーリング・クライマックスになった。