足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

金相場が暗示するもの

2006-11-11 17:28:15 | 株式

今週は金相場が$636と戻り高値をつけた。

ことしの5月上旬に$722.10でピークをつけて以来、6月中旬と10月上旬に$566台まで下げ2回の底をみた。21.5%の下落である。

10月に底入れしたのは別にこれといった材料があったわけではなく、季節的な要因である。

金相場は毎年、秋から翌年の春にかけて上昇するといおう習性が指摘されている。年末のクリスマス・シーズン、そして新春の中国のお正月である。

先週、相場が大きく動いたのは中国人民銀行の総裁が「外貨準備高の多様化を図る」と発言したことがきっかけである。中国の外貨準備高は日本よりも一足先に1兆ドルの大台に乗せた。もともと金選好の高い国民性の国だけに、これから国民の間でも金選好が高まるだろう。

一方、世界的に鉱山会社は新鉱山の開発には依然として消極的で、会社によっては5月からの下げ相場で、利益を固定するために先物でヘッジしてきたところが多いようである。

原油か価格が6月に$78で天井を打ったのも金相場に対する弱気人気を助長した。

われわれは商品相場といえば石油と金に目が向くが、今週はCRB指数が新高値を記録した。アルミ、亜鉛などのほか穀物相場の上昇が寄与した。

昨年の後半の東京市場の上昇相場のリード役のひとつは国際市況関連であったが、海運、鉄鋼、非鉄なども大きく下がり、PERでも割安になってきた。東京市場の反騰相場が確認されると、このセクターが再びリード役になる可能性があるだろう。