日銀のデフレ克服宣言ともいうべき政策転換を株価は歓迎した。この日の騰落指数は1676%と値上がり銘柄数が値下がりの16倍、1月19日の騰落指数1164%以来の大きな数字である。1月の時はライブドア・ショックの反動高であった。
ブルンバーグは「世界で2番目の経済大国は5年間のデフレとの戦いを終え、金利引き上げの第一歩を踏み出した」と伝えた。セロ金利政策は変わらないが、経済大国の中央銀行のお金の手放しの印刷は終わる。
8日付のモルガンスタンレーの「グローバル・エコノミック・フォーラム」では著名なエコノミストのスチィーブン・ローチが「中央銀行は今まで低金利政策という錨を海中に投じていたが、遂にその錨を引き上げた。FRBが著しい緩和政策を解除しただけではなく、日銀も出口戦略に着手しようとしている。これは国際流動性サイクルが迎える新たな展開であり、場合によっては実質金利、ならびに資産に依存する世界経済も新たな展開に直面する可能性がある」と書いている。
われわれ日銀の政策転換によって投資戦略のパラダイムを修正しなければならない。ここ足掛け3年の過剰流動性に支えられた上昇相場は終わり、業種、銘柄の選択の幅を絞らなければならないと思う。相場の性格に変化が出るだろう。
本日、IPO(新規公開)したメディアグローバルリンクス(6659・JQ)は通信、放送の両分野での新しい技術開発に成功したユニークなベンチャーである。これまで画像を伝送するときは圧縮していたが、通信コストが下がり圧縮の必要がなくなった。同社の開発した非圧縮伝送機器は、通信と放送の融合時代の成長商品。トリノ冬季五輪で使用されたが、今度はドイツでのサッカーのワールドカップでも使われる。日本だけはなく世界市場がこれからターゲットになる。ハイテク日本の象徴でもあり、ファブレスメーカーである。この種の株の評価はPSR(株価÷1株当たり売り上げ)を適用する。1株当たり売り上げは9万1000円。15倍でも理屈はつく。中、長期でも投資できる新興市場の株だ。