足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

今週の戦略

2006-03-26 21:19:22 | 株式

今週は相場にとっては膠着状況から抜け出し、陽春相場への助走にはいる可能性がある。一つはNY株の動き。週初めの米連銀のFOMC後の声明文に注目したい。バーナンキ新議長がどのような独自色を出すか。東京市場は28日が3月決算ものの権利、配当落ちだ。29日からは新営業年度にはいる。機関投資家や投資信託に新しい動きが期待できる。短期的なトレーディングを投資戦略にしている向きにはチャンス到来である。

注目している米国の運用者にアーニー・シュナイイダーというひとがいる。45億ドル(5200億円)を運用している。

彼は「現在の市場には私は中立的な立場。企業業績は高水準、ただ個々の決算から相場の材料を探すのは難しくなってきた。PER(株価収益率)をベースにして投資するには、そんなに魅力的ではないからだ。ただ連銀の引き締め政策が8回か9回にきていることは確かで、試合が終われば現在のPERでも魅力が出る。買える銘柄が出てくる」と語る。

NY株の上昇が東京市場にとっても大きな刺激材料である。今週は「買い」から入りたい。


金属チタン株

2006-03-25 22:07:57 | 株式

25日の日経新聞の商品欄に「チタン2年連続値上がり」「06年度国内価格・需給ひっ迫で20%高」という見出しで金属チタンの市況が報道された。

世界では高品質金属チタンの生産が可能なのは日本の住友チタニウム(5726)、東邦チタニウム(5727)と米国のタイメックス(TIE)だけである。これまで日本の2銘柄に注目してきたが、これからも業績の伸びは市場のコンセンサスを超えたものになるとみたい。金属チタンの需要の原動力になっているのは、米ボーイングとヨーロッパのエアバスの大型新鋭機の受注の急増である。今週の米バロンズ誌の記事の中に次のような一文がある。

「国際的に航空機の需要は拡大しており、2005年の受注は信じられない(fabulous)ような数字であった。このような需要は今世紀中は続き、長期の上昇サイクルにはいった」

航空機向けに石油化学プラント向けの需要が加わり、金属チタンへの需要は歴史上初めてといわれるぐらいの活況である。

5月には住友チタニウムと東邦チタニウムの決算発表がある。それに向けて株価は上昇トレンドにはいる。住友チタニウムには昨年秋の株式分割(1対2)に続いて、再度の株式分割が期待できる。

目先の投資でも注目したい。


ウォール街での2つの材料

2006-03-25 11:33:14 | 株式

昨夜のニューヨーク市場では注目すべき2つの材料が出た。

一つは2月の米国の新築住宅の販売が年率で108万戸と1月の121万戸に比べて大幅な減少になったことである。「ついにきた」と受け止める投資家も多かった。エコノミストの事前の予想は121万戸であった。関心がもたれているのは来週の27~28日の連銀FOMCだ。+0.25%の利上げは既定の事実としても、声明文に景気のスローダウンについての言及がなんらかの形で盛り込まれるかどうか。現在の株式市場の最大の関心事である。

いまひとつは1月以来、ネット株の悪役であったグーグルの株価の反騰である。一時は+8%も上昇して終わりは$365.80であった。3月31日からS&P500に採用されることになった。S&Pでは「米国経済を代表する企業」と位置づけしている。時価総額は17兆円、米国では19番目だ。インデックス運用のファンドが組み入れることになる。これをきっかけに、業績見通しを発表しないという方針を改めるように期待する声も高まる。グーグルの株価が戻り歩調になれば、年初来、いまひとつパッとしなかった世界のインターネット株に対する人気の復活が期待できるかも知れない。

東京市場も来週29日から来月受け渡しになる。ウォール街に株価の方向性が出てくれば

4月相場への期待がでる可能性がある。

(お詫び)ブロッグの不都合によりご迷惑をおかけしました。


当面の相場展開を考ええる

2006-03-23 18:23:06 | 株式

相場の方向性が定まらない。理由は2つあるとみる。

まずニューヨーク株の動向である。来週の27~28日に米連銀FOMCを控えている。バーナンキ新議長の初めての会合であるために、グリーンスパン路線と変化が出るかどうかに関心が集まる。さきのNY経済クラブの講演ではなんのヒントも汲み取れなかった。むしろタカ派という評価が出たぐらいだ。それだけに機関投資家やヘッジファンドは動きたくないところである。

東京市場は材料の空白時期であるが、3月末という事情がある。昨年も3月後半はもたついた。

短期志向のトレーディングや新興市場での短期勝負にもチャンスが少なくなった。ここはあまり無理をしないで、4月相場に期待したい。

それでもこれまで注目した大阪証券取引所株の配当取りを考えたい。権利落ちは28日である。

いまひとつトクヤマ(4043)に再度、注目したい。太陽エネルギー関連で多結晶シリコンの世界の6大メーカーだ。欧米での同エネルギーに対する関心は日本で考えられないぐらい高く、ウォール街での関連株のMEMCエレクトロニクス(WFR)、エバーグリーン・ソーラー(ESLR)の人気はすごい。多結晶シリコンの価格は2000年に$9(キロ当たり)であったのが、現在は$75。スポット市場では$100~$200で取引されている。設備の新設には稼動までに3年はかかる。トクヤマはVLD法という新製法で昨年末に実証プラントとして完成した。製品の需給は金属チタン並か、それ以上である。

2010年には太陽エネルギーの発電コストが化石燃料なみになるという予測もある。シリコンは酸素に次いで地球上に豊富に存在する資源だ。

(お詫び)昨日の本ブロッグはプロバイダーのシステム・メインテナンスのため休みました。


バーナンキ新議長を読む

2006-03-21 19:25:35 | 株式

明日の相場の焦点は今夜のニューヨーク株が、20日夜のNY経済クラブでのバーナンキ新議長の講演会の内容にどう反応するかにある。

スピーチの内容は「玉虫いろ」で、今後の政策の方向性は緩和、引き締めのいずれの方向にも受け止めることができる内容。きわめて巧みなものであった。ただ説明の内容はきわめて明快でだにでも分かる話法。

テーマの主力bの部分は「現在のイールドカーブの平坦化」(短期金利と長期金利がほぼ同じ)にある。

その理由について第1は「インフレの沈静化と持続的な成長」、第2は「アジアの中央銀行が先頭を切ってのドル債買い」、第3は「年金の債券買い」、第4は「長期債の供給が限られていた」を上げた。

今後の金融政策にはどちらとも取れる発言であった。

それにしてもここ2週間のNY株の上昇は静かに力強く上昇してきたことに注目したい。NYダウではなく、市場の動向を的確に現すダウ総合指数は新高値を更新し、2000年はじめを上回った(NYダウ平均の史上最高値は2000年1月14日・11,722ドル)。

昨日はもたついていたナスダック指数は全体に逆行高し、とくにインターネッット株の回復が目立った。

今週の東京市場を読む上では注目される。引き続き4月高に乗る戦略をとっていきたい。