日銀の2日間の金融政策決定会合が始まった。東京市場もさることながら、今回の日銀の会合についてアジアの株式市場が大きな関心を持って成り行きを見ている。本日のアジア各国の株式市場は東京市場に追随して下落した。アジア株がこれまで上昇したのは、日本株と同じように外人買いである。
外人投資家の中にはゼロ金利の資金を調達して、新興市場で運用する向きが増えていた。それだけに日銀の政策変更によって、この種のキャリートレードが縮小するとみる。今回ほどアジアの株式市場が日本の金融政策の動向に関心を示したのは、これまで見られなかった現象である。それぐらい日銀はおカネを大量に印刷した。それだけではなく日本の個人投資家のアジア株専門の投信への関心もピークに達していた。「日本が買うと天井」という経験則を持ち出す外人のファンドマネジャーもいる。失礼な話ではあるが仕方がない。
弱気筋は1997年のアジア危機の再来を懸念する。そろそろ安全運転の時期であり、新興市場に投資する時は特定の国のファンドよりも、世界のエマージング市場に投資するファンドの方を選びたい。特定の国に投資するのは、出口を見つけるのが日本人には無理というのが私の経験から言える。
キャリートレードの動向は円相場と長期金利に現れる。
さて東京市場も日銀の動向にらみだが、きょうはマザーズ、ヘラクレスの指数が上昇した。全体に逆行である。
明日から来週にかけてIPO(新規公開)が増える。「玉石混交」であるが、それだけにチャンスもあるとみる。