昨日は酸化チタン関連が突如、大商いになって株価も急伸した。
石原産業(4028)の日頃の出来高は1日当たり20万~60万株であったが、7960万株と急増した。
同業のテイカ(4027)、堺化学(4078)も通常の10倍近い出来高であった。
大阪チタニウム(5726)、東邦チタニウム(5727)は市場では人気株で株価の動きには注目する向きも多いが、同じチタンでも酸化チタンはこれまでは蚊帳の外におかれてきた。
酸化チタンと金属チタンは原料が同じルチル鉱だが、製品の用途は異なる。
金属チタンは航空機、化学プラント向けで現在の世界市場では花形的な存在である。
一方、酸化チタンは塗料、紙、プラスチック、化粧品の顔料として使われる地味な存在である。
酸化チタンは国内では石原産業、テイカ、堺化学3社の寡占である。日本経済の高度成長期までは株式市場でも時として人気があったが、1980年代以降は投資家の間でも酸化チタンに注目する向きは少なくなった。
それがここへきて注目されるようになったのは、ウォール街で原料のルチル鉱の需給窮迫の懸念がいわれはじめたからである。最近は価格も値上がりしはじめた。
陰には中国、インドなど人口の多い新興国での酸化チタンの需要曲線が急に右肩上がりになってきたからである。
「トリトンスクエア通信」(昨年12月15日)で酸化チタンについて1ヵ月前に取り上げた。先行き息の長い人気が続く可能性も出てきた。