いま世界でも最も注目されている投資家の昨年の成果をみてみよう。
まずウォーレン・バフェット。2010年、バークシア・ハザウエィの株価が+21.4%とS&P500の+12.8%を大きく上回った。バークシアの株価は純資産にほぼ連動してきた。
2006年→2010年の5年間の株価の変動は次の通り。
2006年=+24.1%、2007年=+28.7%、2008年=-31.8%、2009年=+2.7%、2010年=+21.4%。5年間では+22%で、S%P500の+5.1%を大きく引き離した。この間、2007~2008年の金融危機もバフェットは乗りきった。バリュー投資の本領を発揮している。
いまひとり注目の運用者はジョン・ポールソンでヘッジファンド「アドバンティジ・パートナーズ」で一躍、世界最大のヘッジファンドに踊り出た。サブプライム問題を逆手にとって2007年は年間6倍という驚異的な成果を残した。
彼が昨年は苦闘した。2009年にポートフォリオを金融株と金関連に切り替えたが、ことし9月末には-11%と不振であった。しかし第4四半期には大きく挽回した。大量投資をしていたハートフォード・フィナンシャルが+16%、MGMリゾート+30%、ボストン・サイエンティフィック+26%が上昇したことが寄与した。彼の非凡な才能を立証した。
この2人の行き方をみていると、投資哲学には成功のための不偏的の真理があるのだろう。
2011年はどのような年になるか?
米国株が世界の相場の方向性をにぎることは不変である。残念ながら日本にはバフェットもJ・ポールソンもいない。このような天才的な投資家の行動が相場を動かせす構図は続く。
昨年のウォール街ではハイテク、製造業、金関連がベスト3の成果を上げた。ことしの東京市場も目先はそのような人気が展開されるだろう。当面は金を素材関連というように置き換え銘柄を選択したい。