今週の「トリトンスクエア通信」でも金相場の高騰について書いたが、昨日のNY市場では金相場が一時は$1298まで上がり$1300台の一歩、手前まで上がった。
きっかけはドル相場の下落で連銀が追加の金融緩和策を検討していることを火曜日のFOMCの声明文でほのめかしたからである。
金相場は「不安のバロメータ」といわれるが、今回の不安は景気よりもドル相場に対しての不安である。
金の専門家は来年初めには$1500台と目標値を一斉に引き上げた。
日本政府の円相場への介入の口実が一層、難しくなってきた。1995年のときの円安時とは世界の経済規模か大きくなり、グローバル化の進展で先進国が支配する世界経済でなくなってきたからでもある。
今回の金相場にいち早く、賭けたのはやはりヘッジファンドの両巨頭であるジョージ・ソロスとサブムライム関連商品をショートして成功をおさめたジョン・ポールソンである。
2009年初めに金融危機の次のテーマの一つとして選好した。
30年前の1980年初めに金相場は$$875で天井を打ったあと15年間の下落相場を経験してきた。相場のサイクルからしても大きな上昇の波が始まっているが、動反動の動きをみると少なくともあと5年は上昇が続きそうである。
金相場に対して金鉱株は2~3倍の感応度がある。ここは金鉱株への投資も選択肢の一つである。われわれはニューモント・マイニング(NEM)に注目している。