足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヘッジファンドのレポートより

2010-09-13 07:14:17 | 株式

最近のヘッジファンドのレポートを読んでいると、戦略の視点がますます短視的なり、日計りのトレーダーに近くなっている。

相場の中期的な見通しが読みにくくなり、いままで自分たちの戦略がパフォーマンスにプラスの貢献をしなくなってきたからだ。

トレーダーとヘッジファンドの動きが1日の相場の変動率を時として大きく高めている。

8月初めには、7月の世界の株価の上昇が続くとして強気のポジションをとったところが多かったが、相場展開は思うようにはいかなかった。

8月は日経平均は-75%、NYダウが-4.3%。

9月相場の前半は8月の軟調が続くとみてポジションを落としたが、いままでのところ相場は回復基調に入っている。月末に底入れするとみたが、意外にNY株がリードして相場は堅調でS&P500200日移動平均の1,115にあと一歩のところに来た(先週末は1,109)。

このように相場の先行きを読むのが難しくなってきたので、戦略はどうしても短資的になる。

ヘッジファンドの運用者の最大の目的は「生き残る」ことである。それだけに君子豹変することにはためらいがない。

最近のレポートのなかには「自己独断的な相場観に陥らないように気をつける」と書いているのがあった。そのような運用者のなかには9月下旬にそなえて現金比率を高めたところが多い。

世界最大のヘッジファンドにのし上がったジョン・ポールソンの一部のファンドの成果は1~8月が-11%になった。天才的な運用者でさえ苦闘している。