足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヘッジファンドの強気に反発・・・ウォール街

2010-09-29 08:14:54 | 株式

今週のウォール街は月曜日に下落したが、昨日は反発し先週末とほぼ同じ水準で引けた。昨日の景気指標はまちまち。住宅価格は予想以上の上昇、一方、消費者信頼感指数は予想を下回った。

今週、話題を巻き起こしているのは,先週末にいま最も人気のあるヘッジファンドの運用者デビッド・テッパーがCNBCに出演し超強気の見通しを披露したことだ。昨日の日経新聞の夕刊には次のように報道された。

冷徹で果敢な投資家スタイルで知られるテッパー氏。先週末に米CNBCテレビに出演し、こう断言した。「株式投資には買い時というものがある。今がまさにその時だ。われわれも急いで運用資金を債券から株式にシフトしている」

彼の強気の根拠はバーナンキ議長の量的緩和である。市場にマネーがあふれ出し、この場合は株式・債券・金などすべての資産が上昇する(同紙)。

昨年はヘッジファンドの運用報酬では40億ドルを稼いだ実績の持ち主。1992年の独立する前にはゴールドマン・サックスで8年間、債券トレーダー部門を率いた。

このテッパーの見方には、すぐに一斉に反論が出た。根拠は日本の量的緩和の先例で、日銀は20年間にわたる日本の低迷を打開できなかったというもの。弱気筋はバーナンキ議長の政策だけでは、現在の米国の問題は解決しないとみる。

しかしこのことについてはバーナンキ議長が十分に研究ずみのはず。単なる量的緩和だけでなく、資金が経済界にうまく循環する術を同時におこなうだろう。

それにしてもウォール街での情報の流れはたしたものだ。メディアには情報をスクリーニングする手段を投資家に提供するシステムが出来上がっている。