昨日のウォール街ではオバマ政権での初の予算教書にも大きな反応を示さなかった。
景気、金融対策に具体的な内容が示されるまで見送りというのがコンセンサス。しかし政府の景気見通しは2009年‐1.2%、2010年+3.2%と来年度に向けての景気の大きな回復を見込む。
昨日の価は後半にかけてジリ安になったが、注目すべき動きもあった。
まず原油価格で2.72ドル高の$45.22と1月26日以来の高値になった。週間の在庫統計でガソリンの供給が減少し、需要が増加したことだ。景気の落ち込みはひどいが、石油需要に関しては、消費者の動きには下げ止まりのサインである。昨年7月に$147の高値をつけて以来、下落を続けてきたが、投機現象もすっかり消え実需の動向を率直に反映する。
いまひとつの注目点は円相場だ。NY市場では一時、98.69ドルを記録した。円相場の下値の支持線といわれる98円を切った。昨年11月以来だ。トレーダーのなかには「目先、102円を目指す」とみる向きも出てきた。世界の投機家の関心事は円相場に移り、円対ドルの取引が為替市場の注目点になってきた。
材料は日本経済の予想以上の不振である。特に昨年10~12月期のGDPが年率12.7%の落ち込みになったのを問題にする。改めて日本経済の高い外需依存度を問題にする。
金投資にこれまで注目してきたが、これまで円建ての金価格は、円高で海外の人気を率直に反映しなかった。しかし円安基調は金相場の上昇を実感させる。
特に今回の金相場の反騰局面での注目点はウォール街での金鉱株の人気化である。金相場に対して歴史的には3~4倍のボラティリティ(変動率)があるという習性を金鉱株が取り戻してきた。昨日も金相場は下落したが、金鉱株は堅調であった。