昨日のウォール街では一時、ダウ平均が245ドル安まであったが、引けの1時間前の3時ごろから急速に戻し6ドル安に終わった。ナスダック、S&P500はプラスに終わった。
今週は景気・金融対策に対しての失望感から一転して暗いムードになったが、昨日の相場は下値抵抗感を感じさせる先週の相場展開に戻った。
相場の反転のきっかけになったのはロイターが報道した「政府が住宅購入者の破綻対策を検討」というニュースだ。支払い猶予策を検討している。実現すれば新金融対策の内容の第一弾になる。
シカゴのVIX(不安)指数は‐3.28の41.25になった。1月6日の38.56以来の低い数字になった。今週火曜日のガイトナー財務長官のスピーチ後には「対策に全く肉付けがなく骨ばかり」と反応した市場が、政府が国民の一番身近な住宅対策に手がつけることはセンチメントの転換につながる近道である。
東京市場は決算悪が相場を圧迫する。
昨日の予想PER(株価収益率)は59.37倍になった。この数字から1株当り利益を計算すると168円になる。2008年3月の実績の1株当たり利益は1133円であったので、目を覆いたくなる利益の減少である。
相場には先行きを織り込む「ディスカウント機能」がある。1株当り利益168円を織り込んで、ここまで下げてきたのは、いまさらながらその機能に感心させられる。
問題は2010年3月期である。これから4~5月にかけて予想数字が出るがそれが相場の先行きを読む大きな決め手になる。