足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヘッジファンドを味方に・・・ガイトナー財務長官

2009-02-16 08:17:12 | 株式

先週、米国のガイトナー財務長官のスピーチに失望し株価は日米とも昨年秋の安値が意識され始めた。

今週、18日に住宅の担保流れの一時救済策が出る予定で、シティ、JPモルガンなど大手銀行は融資返済を3月末まで猶予した。その内容によっては破綻をまぬがれ、救済される債務者が出る。住宅市場の落着きが消費者の先行きのセンチメントを左右する。

かねてから、その必要性が指摘されながら、なかなか実行されなかった金融機関の不良資産の買い上げであるが、政策当局が水面下で機関投資家、ヘッジファンド、保険会社などと折衝し民間の資金の導入を進めようとしている。

世界最大の債券運用会社であるピムコのビル・グロスの持論である「影の金融システム」である証券化商品市場を政策のターゲットに据えたことは注目したい。

今回の金融危機を複雑化した元凶である。ようやく最大の問題処理に近づいてきた。

ヘッジファンドの弱体化がいわれるが、生き残ったヘッジファンドには、今回のサブプライム問題をテコにして資産を大きく膨れ上げたところも出てきた。

本欄でしばしば紹介するジョン・ポールソンのような新しいスターの運用者であるが、ジョージ・ソロスも負けてはいない。昨年の成果を公表したが、カンタム・エンドウメント・ファンドの2008年は好調であった。

ソロスは2000年に第一線から引退し、ファンド・オブ・ファンズにしたが、2006~2008年と続いて好成果を上げた。

ガイトナー財務長官もすぐれた運用者を味方につけ難局を切り抜ける方向に進んでいる。