1週間前には今週のウォール街の動きに期待したが、結局は期待はずれに終わった。先週末のNYダウは8280ドルであったが、昨日の引け値は7850ドルで11月20日に7552ドルを記録して以来の安値で引けた。
週前半のオバマ大統領の記者会見、ガイトナー財務長官の初スピーチに失望した。
大統領の経済アドバイザーの最高顧問であるサマーズ委員長(国家経済委員会)は市場の反応にたまりかねたのか「ガイトナー財務長官の勇気あるスピーチ」と評価した。
「われわれは毎日の動きに一喜一憂はしない。中、長期的な視点で政策運営を行っている」と語った。同時に日本、ヨーロッパ、中国に対してさらに景気対策に力入れるように要請した。
現在、財務省が検討中の金融機関の不良資産の買い上げには米国の民間の資金だけでなく外国にも呼びかけることを表明した。
毎日、オバマ大統領に経済・金融問題の現状を報告しているだけに、やはり株式市場の動きには感心が強い。昨日のNY株の悪材料は英ロイズ・バンキング・グループの株価の暴落である。先に吸収したHBOSの評価損が59億ポンド(7700億円)と発表した。それが暴落のきっかけになった。わずか25分間で43%も下落した。依然として金融機関に対しての不安感が根強い。
暴落で大きな利益をあげたのが、いま最も注目されているジョン・ポールソンだ。いまやヘッジファンドの最大手にのしあがったが、今回のロイズ株の暴落で6700万ドル(60億円)の利益を上げた。
2007年に運用成果が6倍、昨年は37%であったが、彼の快進撃が続く。