米連銀が未曾有のゼロ金利政策に踏み切り当日の株価は+360ドル高と好感したが、昨日は一転して売り物が出て、上昇トレンドを固めることに失敗した。
気にしたモルガンスタンレーの決算発表であったが、事前の予想通り赤字に転落した。
しかし決算発表で「目先の悪材料の一つが消えた」と、市場が一時は反騰した。
このあたりの市場の動きをみていると、9~11月の相場展開に比べて、1日のうちに相場が大きく波乱するというマイナスの人気は軽減されている感じを受ける。
ひとつの指標はシカゴで取引しているVIX(不安)指数である。
昨日は49.84と、ほぼ1ヶ月ぶりに50ポイント割れになった。
この数字が相場の先行きを予想するのに役立つわけではないが、昨日の「トリトンスクエア通信」で紹介したように、連銀の今回のゼロ金利政策に対して市場の受け止めが、ポジティブ(前向き)であったといえる。
かねて「同通信」でも繰り返ししてきたように、相場のセンチメントは9~11月に比べて微妙に変化してきている。
バーナンキ議長は1990年代の日本の失政を十分に研究し、同じ政策発動でも「出遅れ」になれば、効果が失われることを意識している。
デフレからリセッションへの道筋をたどらないように、今後は低金利で市場に豊富な資金を供給する。
昨日のウォール街は指数の動きとは別に,相場の内容はそんなに悪くはなかった。
NY取引所、ナスダックとも値上がり銘柄数が値下がり数を上回った。
それに出来高もNY取引所が13億株、ナスダックは21億株と、前日に比べて増えた。
昨日は日本のIPO(新規公開)市場で久しぶりに大型銘柄が公開された。
グリー(3632・マ)である。時価総額はミクシィ(2121・マ)を上回りマザーズでは最大になった。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではミクシィと並んで日本の草分け的な存在。ミクシィより優れているのは、ここへきて成長率が高まっていること、営業利益率が日本のヤフーを上回る。経営戦略は違う。この点が注目点。
理論株価でも投資できる株価である。