昨夜のウォール街では3ヵ月物の財務省証券が発行され、事実上、ゼロ金利になった。
金利は0.005%であるが、発行価格が100.002556ドル(額面100ドル)であった。買い方は額面を越えて投資した。100万ドルを投じた場合には$25.56の損失になる。
なぜ損してまで財務省証券を購入するのか。向こう3ヵ月間、金融機関に預けたほうが有利であるが、金融機関の場合には破綻のリスクがゼロとはいえないというわけだ。
先行き投資市場は不透明なだけに、顧客から預かった待機資金はひとまず、短期の財務省証券を金庫代わりにしようという判断からである。
金融市場の緊張感は依然として残る。
一方、JPモルガンなど投資銀行3社はMMFの受け入れを中止した。
運用のための証券が購入できないためである。
この種の現象は1929年以来、はじめての現象である。
それぐらい金融市場の緊張感が高まっている。
いまに始まった話ではなく、9月からはこの種のゼロ金利現象が見られたたが、今回のように投資家が損を出してでも購入するというのは異常である。
今月16日には連銀FOMCが開催される。
シカゴ先物市場ではバーナンキ議長が現在の1.00%のFF金利を0.25%まで下げるという確率が100%と出た。
金融市場の緊張感と、一方、市場のセンチメントが転換した場合の大量の現金の行き先の両方に、われわれは関心を持たなければならない。