ウォール街での先行きに対しての不安感は消えない。
最近の個人投資家のセンチメントの指標になる米投資信託への資金の流入は、直近の一週間は121憶ドル(1兆2100億円)の流出になった。
前の週が104億ドル(1兆400億円)の買越しであったことからすると、一転して先行きに慎重になった。
大きな理由はNBERが月曜日に米国経済は「2007年12月にリセッション入り」したと認定したからである。
1年前に不況に突入したことは、さまざまなところで指摘されてきたが,改めて公式にリセッションと指摘されると慎重になるのが投資家の心理というものである。
投資信託だけではない。
ヘッジファンドにも引き続き解約の申し込が新年には増えそうである。次の解約期限は3月末で、規約によると期末の45日前に申し込むことが義務付けられている。
2月中旬が実質的な解約の申し込みの期限である。
投資家のこのような姿勢を見込んで、これまで人気が高く、新規の資金の流入を受け付けていなかった投資信託やヘッジファンドの中には、新規の資金の流入を再開するところも増えてきた。
投資家のセンチメントを変えるきっかけは、景気の底入れであり、株価の底入れの確認である。
いまのところ景気の底入れは第2四半期というのが、一つのコンセンサスになってきた。株価には景気に対して先見性がいわれるが、その期間は3ヵ月か6ヵ月か、見方の分かれるところである。
特に今回は100年に一度の金融市場の危機に直面しているだけに、先見性の期間にも議論が分かれる。