世界の投資家の関心は来週(24~25日)の連銀FOMCに集まってきた。
昨日のウォール街ではNYダウ平均が3月17日のベアースターンズ破綻時の引け値を下回って引けた。
きっかけは金融市場の不安の再燃である。
メリルリンチのアナリストが銀行株の評価を引き下げた。特に地方銀行に力点が置かれた。減配と住宅関連の損失の拡大である。
皮肉なことに、当のメリルリンチも追加の損失の拡大を発表するのではないかという憶測が流れた。
またしばらく静かだったモノラインのアンバックとMBIAに問題は出た。ムーディが2段階も評価を引き下げた。
来週のFOMC後の声明文でバーナンキ議長がどのような見解を出すかに関心が高まる。
今月初めには景気がいわれるほど悪くないということで、インフレ対策として8月のFOMCでは利上げの可能性が強まっていた。ドル高が一時は進行して、石油価格も沈静化の兆しが出ていた。
7月には米国企業の第2四半期の決算発表が始まる。今回は3ヵ月前に比べて、いままでのところ、減額修正の企業が少ないということを評価する向きも一時は出ていた。
昨日のNY市場の動きをみていると、5月初めに1万3000ドル台まで戻った株価の反騰も砂上の楼閣であった。
しかしわれわれが注目している米国の有力ニュースレターは、S&P500の1326ポイント割れを、かねて今回の相場の底入れの条件にしていた。今週はショート(空売り)が積みあがったはずだ。
ニュースレターのいう底入れの条件が昨日、実現した。