原油相場が昨日は大幅に下落したが、本日の東京市場は反応せず、軟調であった。
理由は二つある。
ひとつは一時、米国を中心にして、金利の利上げ予想さえ出ていたが、その種の見方はすっかり消えてしまった。依然として金融システムの不安が残っている。今月上旬に出ていた、ウォール街での銀行株買いの人気も後退した。東京市場での銀行株人気をみていると、欧米でのサブプライム問題も峠を越えたような感じを受けたが、この種の見方をするのは時期が尚早であった。
ロンドンでの銀行間取引の金利であるLiborとFFレートの差に一時は縮小の兆しが出ていたが、再び拡大してきた。
FFレートの2.0%に対して、3ヵ月のLiborは2.80%と、両者の間に0.80%も差がある。
銀行はそれぐらいの差がなければ取引のリスクを回避できないとみている。
グリーンスパン連銀前議長が金融市場の信用リスクを判断する材料に利用している数字だ。
これだけ差があると、来週の23~24日のFOMCでは利上げの議論はできない。
いまひとつの理由はこれまで日本株のポジションを増やしてきた外人投資家が一休みしたことである。われわれの相場の目先観の大きなよりどころにしていた需要要因がストップした。外人はファンダメンタル面からではなく、テクニカル面からみて指標の過熱の解消に、いま少し時間が必要とみたのではないか?
連銀はドル安対策のための利上げは棚に上げ、為替政策として別の手段を使うのではないか。
東京市場の調整は短期的に終わるとみる。