「異常な市場のスプレッド、つまりは市場の非効率性のかなりの部分を解消するうえで、ヘッジファンドの投資戦略が有効であることには変わりない。実際のところ、ヘッジファンドは世界の資本市場において決定的に重要なプレイヤーになっている。ニューヨク証券取引所の売買高のかなりの割合をしめているといわれ、一般的には、ヘッジファンドがなければ停滞しているであろう市場に流動性の大半を供給している」
(アラン・グリーンスパン著「波乱の時代」山岡洋一訳。日本経済新聞社)
ベストラーを続けるグリーンスパンの回顧録は、有名な専門の経済理論書を何冊かまとめて読むぐらいの勉強をさせてくれるだけでなく、グリーンスパンなら、いまの株式相場をどう判断しただろうかと、推理のカギを提供させる。
3月のベアースターンズ破綻を連銀が救済していらい、安定するかにみえた金融、証券市場であったが、先週は、その金融市場の不安の余韻が吹き上げた。
それにつけても4月初めのジョージ・ソロスのメディアとのインタービユー記事が思い出される。
ソロスは「底値をつけたようだが、持続性は6週間かせいぜい3ヵ月だろう。典型的な大底はまだだ」と語った。3月中旬から3ヵ月が経過したが、ソロスのいう期限がきたのか?
グリーンスパン議長のいうヘッジファンドの影響力が強くなってきえいるだけに、業界に通じているソロスにはそれなり、相場予測の根拠があったのだろう。
昨年のソロスはヘッジファンド業界では話題のジョン・ポールソンに次いで、世界で第2番目の稼ぎを記録した。
ただ6月はヘッジファンドのショートが相当に積みあがったかもしれない。
相場が一方通行になるのを抑えるということもある。