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中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

23’紬塾染織実習 小さな布を織る(最終回)

2023年12月22日 | 紬塾’21~’25
糸をつむぐこと、染めること、織り物設計をすること、そして今回最終回の織ることを4回に亘って行いました。

先日の半巾帯を織り上げた経糸が少し残り(予定外でしたが)、それを使って一人2~3寸ずつ織ってもらいました。

自分でつむいだ糸(柿の小枝で染めた白茶)を最大限活かすことと、もう1~4色の色糸(私の方で用意している色糸)を選び、混ぜながら一枚の小さな布を織ってもらうのが実習の趣旨です。

たての縞がはっきりした、凝ったものなので、初心者には難しいかと思いましたが、
多少アドヴァイスもしながらですが、案外いい感じに出来上がりました。
織は初めての方がほとんどでしたが、耳も出来る限り意識して綺麗に織ってもらいました。
良い布になり、私もホッとしています。

織った順番に、それぞれ紹介します。布の手前が、織り始めです。


T.K.
設計通りに焦げ茶でスタートしましたが、途中色の変更や混ぜ方を臨機応変に変え、進めました。力強い温かみのある布になりました。




I.M.
柔らかな色を選び、やはり予定を少し変更しながら織り上げました。
ピンクとグリーンをランダムな段で織りましたが、薄い色の段なので、たての縞が生きた優しい布になりました。




K.M.
暖色系の中に寒色のグレーが生きています。互いの糸がハーモニーを醸して洗練された大人可愛い布になりました。




O.Y.
規則的なグラデーションはほぼ最初の設計通り、迷わず織り進めていました。
色糸を2段に分けて、スッキリしたグラフィック的な布になりました。




I.K.
機の最後で経糸が短くなり、織りにくかったのですが、不平不満も漏らさずに黙々と織ってくださいました。
今回の趣旨と少し外れましたが、ご自分の好きな色を入れたいという強いご希望があり、色を中心にした元気な布になりました。中程は白糸で七子織も入れました。

終わって、バスの時間まで少しあったので、「織る時に大事にしていることは何か」という質問を受けましたので、お答えしました。
「自分の表現は最後でいい、まず素材を観ること」と答えました。
目をまるくされていました。°_° 

この実習を通して、真綿の糸の感触や糸を混ぜながら奥行きを出していく紬織物の世界を少しでも体感して頂ければと思います。
また、経糸に複雑な節のある糸を使っていることで、布の深味が増すことも知ってもらえたらと思います。

紬というものが曖昧になってしまった昨近ですが、たて糸に節があり、柔らかな真綿の糸の風合いを活かしたものが野趣のある本来の紬だと思います。

みなさん基礎コースもしっかり受講し、更に実践でも紬の世界を深めてもらったと思います。
私も実のあることをしてもらいたいと、採算は度返しで務めたつもりです。
技術は拙いながら、こんなに高度な布はそうはないと、自信を持って言えます。

来年は紬塾が出来るか否か、全く未定です。
3月初めには開催の有無を決めますが、検討中の方はHPの「問い合わせ」よりメールでご連絡をいただければ、開催の有無が分かり次第ご連絡します。




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第6回 紬塾 「自然で楽な着方」― 名古屋帯の結び方・半衿の付け方・着物の仕立寸法

2023年11月25日 | 紬塾’21~’25
すっかりブログの更新が遅れておりますが、半巾帯の制作に集中しております。終了の目途は立ってきましたが、休みも取らずに仕事をしていたら、腰痛も始まってきました。

無理は禁物。急がば回れですね。。そこで、ブログの更新を。
今月初旬に行われた紬塾の報告です。

今期の方はみなさん着付けは出来る方ですので、特に着方などはしませんでした。
ただ、いろいろ補正をしたりで、着るのに30分以上かかるとのことでしたので、着付けの時短の為の話をしました。

先ず、補正の必要もないのに思い込みでしている方もあります。
私は補正肌着や補正もしませんので、ゆっくり着ても30分はかかりません。
また、帯も袋帯や地厚なもの以外は仮紐なしで捻じるだけなので早いです。
ただ、私の苦手が帯揚げで、何故か帯揚げは雑です。。(>_<)
でも写真に撮ると案外目立つので、もう少し丁寧に結びたいとは思っていますが。(^-^;

帯結びと、着物の寸法(マイサイズ)に時間を掛けました。
着方と寸法は大いに関係がありますので、一人ひとりの寸法を確認しました。
裄が長い方、身丈が長い方が多いですね。洋服の寸法の採りかたなのですよね。着物は広幅から型紙で作るわけではないのですから。
次回も補足説明します。

あと、差し込み式のプラスチックの衿芯も紬などには特に不自然ですので、三河芯で付けるやり方も話しました。

2016年12月19日 の紬塾のブログに詳しく書いています。

この日、私は身丈も裄もギリギリの、小さめマイサイズの着物でした。着るのは楽です。
身幅は狭すぎて(若い頃の体型)、外へは着て出れませんが。。(^-^;

そしてイマイチ顔映りのよくない着物なのですが、草木染は化学染料のような単純さはないので、ピンク系、オークル系の肌にどちらも合せ易いのですが、更に合う調整としては、小物や帯は似合う色を持ってくると良いです。
私はカラー診断では冬から春のカラーが合うのですが、この着物は「草紅葉」と題したように、黄茶系なのです。
藍の縞帯と、ボルドー系の帯揚げ、焦げ茶の帯締めは肌映りが良いので合わせてみました。

********************
さて、話題が変わりますが、受講生の方から浦野理一さんの縞帳から作った素敵なピンクッションを頂きました。銀座の灯屋さんで買われたそうです。大好きな色糸効果の網代や刷毛目も入っています。とても気に入りました。


私の修業時代に「ミセス」に浦野さんの着物や帯が連載されていて、今でも切り抜きをファイルしています。特別に太い玉糸の紬はシンプルで力強く斬新でした。
浦野さんの型染めの帯は私も持っていますが、染織界の一時代を作られた方です。

紬塾の最終回は1月に変更になりました。
受講生の方は、今までの講義を振り返り、最後に質問などあれば纏めておいてください。


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第5回 紬塾「日本の取り合わせ」――ものの力を合わせる

2023年10月20日 | 紬塾’21~’25




" 木犀に帯締めながら目をやりぬ  星野立子 "

半巾帯の連作に集中しながらも、庭の金木犀、銀木犀がふっと香ってきます。

初旬に行いました紬塾「取り合わせ」についての報告です。

毎回盛り上がる着物の取り合わせワークショップ。
T.P.O.を考え、一人2パターンずつ取り合わせを発表してもらいました。
着ていく場や、季節、どんな心持で着るのかなども話してもらいます。

反物と帯、帯揚げ、帯締めをセレクトしてある中から、自由に選んでもらいましたが、みんな違う組み合わせでした。それぞれが真剣勝負で向き合ってくれました。

取り合わせに沢山のルールなどありません。一人ひとり条件が違いますから。
私は日本文化として、取り合わせで気を付けなければならないのは、「異なるものを合わせる」1点だけです。揃える合わせ方は、取り合わせとは言いません。それは単なる色合わせです。

俳句でも取り合わせという言い方をしますが、いかにも予定調和のようなものは評価されません。意外性を持ちながらもハッとさせる関係性を持ち合わせている。

あとはもののクオリティの高いものを下着類から小物に至るまで、選ぶことです。ものの力を合わせることです。

そして、着物は人が着るもの。飾っておくものではありませんので、自分との取り合わせとして、肌映りのよいものを選ぶことがもちろん大事です。
でも、合わないものや、年齢で変わってきたりしますが、その場合も小物や帯で似合う色を使うことで、幾らかカバーできることなども詳しく話しました。



私のこの日の取り合わせは、前にも「羊歯文帯」で書きましたが、拙作を何点かお求め頂いたご高齢のお客様から、もう着ることはないので、引き継いで欲しいということで頂いた着物です。
30代後半の仕事だったと思います。シンプルですが、地が崩し縞になっていて、布に奥行きが有ります。
太めの糸で織られていますので、単衣に仕立て替え、真冬を含め長く着たいと思います。

寒色系の中に、帯揚げだけは暖色の赤紫を使って、秋の色を加えました。

HP着姿を更新しました。


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第4回 紬塾「伊達締めを縫う」

2023年09月19日 | 紬塾’21~’25
報告が遅くなりましたが、先々週の紬塾では麻(ヘンプ)の伊達締めを縫いました。
通常は9月後半に行いますが、コロナのこともあり、換気の出来る内にと思い、暑い時期ですが、前倒しで行っています。

色々な生地(麻)を試してきましたが、ヘンプ麻の程よい厚みのある生地を探すのに苦労しました。
ヘンプのステテコや肌襦袢より気持ち地厚感があります。



まず、広幅の生地を地の目に添って裁つところからしてもらいましたが、経て糸を抜いて、切りやすいようにしました。


上がりが9cm幅で、2m20cmの長さにしました。印はつけずに布端から7~8mの所を待ち針で留めるだけで運針します。
袋状に縫いひっくり返して最後は矩け縫いで綴じました。

みなさん夏休みの間に運針練習をしてくださったのか、なんとか縫いあげました。

この伊達締めは着物の上に使うものではなく、長襦袢の上に使います。
滑りにくい生地ですのでこの伊達締め1本だけで緩みません。
また、汗もよく吸いますので、汗取りの役目も果たします。
洗濯も炭酸塩や石鹸で手洗い出来ます。皺は霧をかければ、すぐ取れます。

紐1本、伊達締め1本にも素材による違いが有ります。
次回の紬塾でそういった小道具のこともお話しします。


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第3回染織実習「織りの準備」― 糸の糊付け・設計

2023年09月14日 | 紬塾’21~’25
残暑の中、四方の窓を開け放ち、冷房無しで、紬塾の実習の方と小さな布を織るための準備に入りました。


先日染めた緯糸に布糊と生麩を合わせた糊を付けました。
糊付け3年と言われるくらい、天候によっても左右される難しいものです。
付けた後は天井の方へ高く振り上げ、ストンとテーブルに打ちつけ、糸をばらばらにほぐします(画像は以前に私の仕事を撮ったもの)。
絹糸本来のウェーブがもう一度蘇り、それを糊で固めると良い風合いの布が織れます。


織物設計は私からの課題は、一貫して同じです。
自分の糸を使い切り、もう一色の地糸と混ぜながら、自分の糸はどんな形なのか、紬らしい糸味を見てもらいたいのです。

今期の方は私の説明をよく理解して下さり、時間内に方針が立ち、糸量の計算もスムーズでした。
条件は同じなのにみなさんちょっとの組み合わせの違いで、全く違う布が生まれてきます。来月の織りの実習が楽しみです。

********************************************************



設計の後は、工芸美術評論の笹山央さんのレクチャー「観ることの優位性」を聴いてもらいました。
創るためには見なければならないし、そのことに能動的に向き合うことは大事だと思います。

1.「観照」について
   ・古代ギリシャの思想―――観照(テオレア)、制作(ポイエーシス)、実践(プラクシス)
  ・日本文化の根底は「眺める」
    
2.ヴィジュアル・アートを先導していくのは、「観る」立場の人間

3.「観る」訓練
  ・いいものを数多く見る
  ・考えながら観る(知識は前提にしない。子どもの心で観る)
  ・実践する(自分でも制作してみる。作者の話を聞く)
  ・感じたことを言葉にする(間違っていてもよい)
   
みなさん熱心に聴いてくれて、最後に感じたことを言葉にしてもらいました。

「観たり眺めるのは好きだけれど、考えたり、客観的に言葉にしたりはサボっていたかな・・」という感想もあったのですが、それに対し、笹山さんは「受け身ではなく、積極性をもって観る。そこを工夫して観る。理解するには自分から働きかけていく。」などとアドヴァイスがありました。

和歌にしても「眺める」所から表現は始まるという点を改めて確認した。言葉にすることしていなかった、などの感想もありました。

観て、言葉にする訓練は、鑑賞を深めることにもなるので、私も若いころから、感想を日記に付けたりしてきましたが、今後も感じたこと、考えたことを言葉にすることを続けていきたいと思います。

笹山さんのブログも参考まで。
「アリストテレスーー西洋的“観照”の原点」20.3.27



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第2回染織実習「糸を染める」― 工房の庭木を使って糸や半衿、帯揚げを染める

2023年07月27日 | 紬塾’21~’25
今年は5名の方と染織実習をしていますが、梅雨明けしたその日に染色をしていました。
写真は、たまたま参加のみなさんが撮ってあった写真を提供いただきました。私は指示を出して、お手本を見せたりするだけでも手いっぱいで、写真を撮る暇もありませんでした。

34度越えの狭いキッチンで、ガスコンロ3口使って、エアコンなしで、マスクをしての作業。私は慣れていますが、みなさん大変だったのではないかと思っていたら、案外「涼しい」「風が気持ちいい」などと言われてました。確かに風がよく通るところではありますが。


工房兼住まいを選ぶ時には、エアコンなしでも仕事ができるように、風が良く抜けることを必須条件にして来ました。染色以前に大事なことです。

前回つむいだ真綿の糸と、帯揚げ、使い古しの半衿を庭木で染めました。
桜と柿を使いました。媒染は灰汁と鉄と無媒染の3通り。

桜は枝と葉を分けたのですが、結局2回目の染色で混ぜることになり、その違いを明らかにすることは出来ませんでした。

それでもきれいなピンクと鉄を掛けたグレイッシュピンクが染まりました。
生木の無媒染はコツがありますが、堅牢性と、色の落ち着きを考慮すると、淡い色でも染めて干すを2回は繰り返したいです。
無媒染の半衿もとても良い色に染まり、お肌の色も良く見えそうです。

室内で1週間ほど空気酸化させたのちに、アイロンで各自仕上げてもらいます。

トップの画像は夕方、1工程を終え干しているところです。
半日では十分な染はできませんが、何とか自家用なら使えます。

今までもたくさん書いてきましたので繰り返しませんが、まとめとして、草木染は簡単なようで、奥の深い難しいものです。
染色の基礎+実践に基づく創意工夫、研鑽が必要です。短時間で習得できるものではありません。マニュアル化も出来ないです。
また、料理やお茶を美味しく入れるやり方に共通点をたくさん見出せます。

媒染材はきちっと量を測り、多すぎないようにしないといけません。中には劇薬もあります。取り扱いに注意が必要。
2018年のブログも参考まで。

でも、生木で染めている時の生命感のある色や匂いにみなさん感嘆の声を上げていました。その実体験は大きいと思います。
家庭でも無媒染やアルカリ剤の媒染ならできますので、そのやり方もお話ししました。半衿や帯揚げの鮮やかすぎるものなどを染め重ねると良いと思います。

今年は今までで最も暑い夏となりました。
異常気象は今後も進むのでしょう。世界中で温暖化対策をしているとはいえ、もう時すでに遅し、という気もします。
世界で災害が多発しています。
7/28配信で、グテレス国連事務総長「地球沸騰化」と警告を発した。 
温暖化ではなく地球沸騰化の時代と言われ始めました。

しかし、企業や国は勿論ですが、温暖化防止に少しでも出来ることは今からでもしなければなりません。
庭のある方は木を植えましょう。遮光や、涼しい衣服でエアコンの設定温度を少し上げましょう。
近くの買物などは車を使わずなるべく歩きましょう・・それぞれの方で出来る事をやりましょう。

しかし、この時代にまだ再開発と言って、大木を伐る某大企業のエゴに憤りを覚えます。それに賛成する都知事、政府やゆ党(野党と与党の間)にもうんざりです。表向きSDGsを掲げ、やっていることは真逆のことをしています。

東京だけでも高木が多数伐採されます。神宮外苑、井の頭公園、日比谷公園など、都民の憩いの場であり、多様な動植物の生息の場であり、気温を下げる働きのある高木を伐採するのは犯罪としか言いようがありません。
全国的にもあちこちで開発と称して、木の伐採、強剪定が行われています。

伐採計画反対の声も大きく、私も神宮外苑以外にもたくさんの反対署名をしましたが、ご存じない方は、ネットでいろいろ調べて身近なところから是非反対の声を上げましょう。
これ以上環境破壊が進むことは、大げさでなく人類の存続にかかわること。経済が活性化するはずはありません。
原発事故からも、コロナから何も学ばない企業、経済界、政府自民党とその補完勢力。

憲法25条で保障された、健康で文化的な最低限度の生活を守るには、草木染や天然素材の織物、着物を大切にしたいなら、自然環境、民主主義は守らなければなりません。
美しい夏の着物も着続けられるか分からない状況です。
民主主義はお上の言うなりでは育ちません。自分で調べ、考え、現状に声を上げていかなければなりません。

次回9月の染織実習は織り物デザインに入ります。


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紬塾 第3回「とことん着尽くす」  ― 着物の更生・運針

2023年06月24日 | 紬塾’21~’25
いつものように着物の更生方法や、私物でその実例を見てもらいました。
また日常の暮らしの中でも、ものを大事にしていくことなど、みなさんが普段気をつけていることなども話し合いました。
トップの写真は、額田昇作コレクション『ぼろの美』を見てもらっているところです。凄まじい図録です。

山育ちの母が戦争中に一番困ったことは、食べること以上に、着ることだったと語っていました。配給も無かったと。
そういうこともあって、布を大切にとことん使う人でした。

ものの溢れる時代ですが、ただ節約とか、始末に暮らすとかだけではない、人と布の関係性なども話しました。

以前のブログ、2016年06月13日2018年08月30日などにも綴っていますので参照ください。



秋に麻の伊達締めを縫いますので、最後に運針練習もしました。
今回は糸を付けずに、針、指ぬきの扱いなど、運針の型の練習でした。
秋まで、家で練習してきてもらいます。

母のぼろの遺品の多くは、並縫いで接ぎ合わせたものがほとんどです。
立派なものを作ろうという野心はなく、手元にある布を慈しみ、布のいのちを全うさせてあげようというものばかりです。
運針は暮らしを、人生を豊かにするものだと思います。



この日の私の着物は、大きなシミをつけてしまい一旦は着るのを諦めた着物ですが、洗いも自分でやって、身ごろを前後入れ替えたり、表と裏も返しているものです。
一番大きなシミの箇所は背中ですが、裏から見るとわかるのですが、表からはほとんど分からなくなりました。(^-^;

帯は越後上布の着尺から仕立替えたものです。30年くらい前に、そごうの横浜美術館から出て、エスカレーターで下る時に、催事場で偶々見つけ、引き寄せられたものです。これは私が引き継がねば、、と勝手に思って購入しました。(*^_^*)
格子の藍は黒に近い勝色で、とてもいい色です。
糸も本当に綺麗です!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、コロナの5類移行に伴い、定点把握で感染者の状況が見えなくなっていますが、第9波に入って、拡大傾向が続いています。検査や治療薬などが有料となり、検査を受けない方も多いと聞きます。
家庭内感染が増え、入院ベッドも塞がりつつあるようです。

政府の無為無策もここまできて、とどめを刺した感があります。
NHKはマスク外しの政府キャンペーンを後押しし、公共放送が、国営放送になるというのは先の大戦でしたことの繰り返しになります。

6月に身内も、紬塾の参加者にもコロナに罹った人もいます。
マスク、換気、手洗いなど対策を緩めずにいきましょう。
政府は全く関心ないみたいですが・・

Twitterなどで、誠実な正確な情報発信をしてくださっている方もたくさんあります。是非チェックしてください。

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紬塾’23染織コース― [真綿から糸をつむぐ]

2023年06月16日 | 紬塾’21~’25
23年度の染織実習コースが始まりました。

5人の方に2グループに分かれてもらい、真綿4.5gから糸を、久米島方式でつむいでもらいました。
初期の方たちは2gぐらいでしたが、何故かだんだん増えて、大変なことになってきました。。(^-^;


まずは真綿を台に掛けるところから。

4.5gというのは着尺の緯糸だけの重さの約1/90程ですが、全てつむぐのに2時間近くかかりました。

秋に小さな布を織るための、着尺糸の2~3倍の太さで、つむぐのは難しい太さです。単純な道具で、あとは人の感覚を働かせるだけの仕事ですが、現代人には、なかなかこれが難しい。。普段使わない脳の刺激になったと思います。





過去のブログもご参照ください。
2018.6.252019.6.07 など。

大事なことは、原始から人は布を織るように生まれてきているのですから、その糸をつむぐのも当然のことです。
大変ではありますが、紬塾に糸つむぎも加えているのは、根源的なところから体験してもらいたいからです。

麻にせよ、木綿にせよ、紬にせよ、布を織ることや、糸つむぎは、今の時代は趣味的なことのように捉えられがちですが、機械的なものが出てくる以前は、生きるためのとても厳しい、時間のかかる過酷な大仕事でした。

でも不思議に、今まで指導してきて、途中で投げ出す人も、いい加減な仕事をする人もいませんでした。
みなさんが無心で真綿と向き合っている姿に、人の根源的な仕事であることを再確認します。機械ではできない人のなせる技です。

私は紬の道を選んで良かったと、こころの底から思います。


今期もかなり、、、たくましい糸が引けましたので、織り上がりも楽しみです。^_^


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第2回紬塾「糸、色、織について」

2023年05月25日 | 紬塾’21~’25
第2回はいつものように、紬の一番基本となる、糸や草木の色、織物の経糸の重要性、堅牢性など、繭や真綿から糸を引き出すワークショップ付きで講義をしました。

紬と言っても使われている糸は様々で、その特徴をよく見て選んでいくと良いと思います。
生糸系、玉糸系、節糸系、真綿系、そのブレンド等、風合いも着心地も様々ですが、専門知識がなくとも、「違いがある」ということをまず頭に置いて、触れたり、纏ったりしてみるとよいでしょう。

トップの写真はお湯で煮た繭から1本の糸を引き出していくワークショップの、最初の糸口を引いているところ。
この後、みなさんに順番で黒い紙に巻き取ってもらいました。
蚕は頭を左右に大きく振りながら糸を吐き出しますが、それをゆっくり繭から解いてゆく体験です。ただ糸が細いというだけでなく、吐き出した時の糸のかたち、ウェーブが見てとれます。繊細な命の営みのかたちです。


みなさんが引き出した後、私が残りをゆっくりと木枠に巻き取ったものが上の写真。小さな綛になりました。


真綿からも、太腿の上で糸を纏めながら、少し太めの糸をつむいでもらいました。原初的なずりだし方式です。
この方法は、道具に頼らない分、技量が問われます。

他にも私が10丁の杼を使い、柔らかなよこ段を織っている映像を見てもらいながら、織り方の重要な点を説明しました。
着る人こそ、経糸の重要性、バイアス(密度)、反物の耳の重要性なども知ってもらいたいと思います。

後半は、草木の色のこと、染のこと、盛りだくさんでしたが、講義の内容は過去の当ブログ、カテゴリー「紬塾」も参考にしてください。
次回、最初におさらいと、話し足りなかった点を補足をします。




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第14期「紬きもの塾'23」開講しました!

2023年04月26日 | 紬塾’21~’25
紬塾は一年お休みをいたしましたが、今期は5名の方と一緒に紬織りを中心に、着物の文化について、また自然のこと、環境についても考えを深めていきます。

コロナのこともあり、ずっとブログも読みながら、この機会を待ってくださっていた方もいらっしゃいました。関西からお越しくださる方もいらっしゃいます。紬のことをもっと深く学びたいという熱い思いはみなさんに共通しています。

なんの宣伝らしきものもなく、秘密結社ではないですが、、たまたまネット検索で辿りつくような、敷居高く、気軽には入れない…と思われると思うのですが、、よく勇気をもってお申込み下さったと思います。

初回の自己紹介でそれぞれの方の思いの一端も伺いましたが、充実した時間を過ごせそうで、嬉しく思いました。みなさんが帰られてから、Beerで祝杯を上げました。

紬塾の内容はブログには書けないことがたくさんあります。
その場に、一座建立してこそ伝えられることがあります。
紬塾はそういう場を設けているだけです。そこに集まる一人ひとりが作っていく場です。私も内容に磨きをかけて望みます。


僅かな時間ではありますが、いつも初回には草木の染の基本的な色であるピンク系、黄色系の糸質の違う単衣(私物)を羽織ってもらいます。
(写真のピントが合ってませんで、、(^-^; 無地に見えますが、細い縞です)
強い媒染剤を使わずとも自然に染まる色です。
私から先回りして知識は刷り込まないように、各自で色や風合いを感じてもらいます。
いろいろな感想が聞かれましたが、この実感からスタートし、色や風合い、紬とは何かの話を次回から進めていきます。



初回の私の装いはいつものように、修業時代の最後に、母の為に夜なべでつむいだ太い糸で織った井桁絣の着物。
帯は藤の文様の辻が花染を合わせました。十数年前に買ったこの帯は、ベースの生地に昔の赤城紬を彷彿とさせる経緯糸に強い節のある生地で、その力強さに惹かれました。今はもうこういう糸も、これを織れる機械もないのではないでしょうか?機械でも、ゆっくりでないと織れないからです。とても締めやすい生地です。昨近は本当になんでもツルツル、ピカピカ、ペラペラ、それでいて固いですから。。

しっかり噛んで、味の出てくる食べもの食べないと、ゼリーとスナック菓子だけでは育つもの育たないです。
紬塾では一人ひとりが自分で感じ、考えながら進めていきましょう。


玄関のニッチには北海道の方から頂いた、庭の日本鈴蘭の一株だけ活けてお迎えしました。慎ましくも、香り高く大好きな花です。
東京の高温多湿に合わなかったのか、僅かな株が、ひょろひょろと残っているだけですが、見守って育てたいと思います。






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今年度の紬きもの塾に関して

2022年02月28日 | 紬塾’21~’25
陽光の明るい季節となりました。
庭に来る鳥たちも活発に行き交っています。

お待たせしております紬塾基礎コースの開催に関しまして、22年度の開催は見送りということに致します。
お待ち下さっている方には申し訳ありません。
染織実習コースは5月に判断いたします。

自分の制作と並行して、染織の実技指導を11年近く、その後紬きもの塾を13年間休むことなく開催してきましたが、一人での制作や、今まで時間が取れずにいた様々な学びの時間をもちたいと思います。
自宅兼工房の狭い環境で、自分の時間や居場所を削るようなこともして走り続けてきました。
忙しすぎて、本を読む時間もほとんど取れず、積読ばかり。。少し自分の時間を取り戻したく思います。

また、コロナもオミクロン株の亜種も懸念されますし、日本での収束にはまだ時間がかかりそうです。

そして、世界は混沌とし、ついに戦争も始まってしまいました。対話での一日も早い終結を願います。
文化・芸術は平和が危うくなれば続けられません。着物を着るどころではなくなってくるかもしれません。

自由と民主主義は自分たち国民が育て守るもので、黙って上から降りてくるのを待つものではないです。
こういうことも含め、学び、考え、声を上げるべき点は上げていかなければと思っています。

染織を長く続けてきて伝えたいことは沢山ありますし、今の時代に大事なことが手仕事や着物の文化の中に沢山あるように思います。その思いを継続させるためにも私自身を充実させる大事な一年にしたいと思います。

トップの画像の半巾帯は連歌シリーズ作品Ⅴ「歳寒の三友」です。プロジェクト十本中の一本は自分用にしました。

寒さの中でも色褪せることのない松や竹の緑、寒さの中に咲く梅の花の強さを表す中国の言葉です。
できることならあやかりたいものだとの思いで制作しました。
残糸を色々織り混ぜましたので、結びで雰囲気が変わると思います。結びによっては絣が見えないようにも設計してあります。詳細はHP着姿にUpしました。

工房では感染予防の対策をして、随時作品はご覧頂けます。
ご来房の際は不織布マスクを着用ください。

また個人対象のミニ紬塾はいたしますので、織の着物を着るにあたっての全般のご相談ごとは受付いたします。ご希望がありましたらご連絡いただければと思います。


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第13期「紬きもの塾」受講生の紬塾レポート

2021年12月20日 | 紬塾’21~’25
                          ドウダンツツジの冬芽

工房の満天星躑躅も葉をすっかり落とし、マッチの軸のような枝先の冬芽に赤く灯をともしています。

今年度の紬塾が終了し、みなさんから6回の内容を振り返ったレポートを提出して頂きました。
今期のみなさんもしっかり内容を受け止めてくださったようで、主宰として嬉しく思います。
少人数で個人レッスンに近いので、私も一人一人と向き合うことになりますが、とても熱心に真摯な向き合い方をしてくださいました。

着物をたくさん着ている人ほどショックは大きいようなこともあるかもしれませんが、みなさん目からウロコを落としてくださったようです。(@_@。
変えられない方もたま~にいらっしゃいますが、着物の世界の奥は深く、着飾るだけではないことを学んでいただければと思い厳しいことも申し上げたりしています。

着飾るということがどういうことなのかもわからず、ただ高級だからとか、有名ブランド、有名作家のだからとかで着ることではないのです。
仮装行列の1回だけの衣装ではなく、一生かけて付き合うのが紬織の着物というものです。
それを引き受けるだけの力を付けていかなければ本当に着ることはできないです。

自分の目で確信を持てるか、実際に着てどうなのか、それは簡単ではなく自問自答しながら一生をかけて身に付けるものでしょう。それなりに経費もかかります。

運針もハードルは高いようですが、それなりにできるようになっていますし、何より楽しくなったと言ってくださってます。この指導は毎回本当に大変なんです~(;'∀')
畳の部屋なので私がそれぞれの方の元へ膝をつきながら移動し、何度も何度も手本を示したり、進捗を見てあげたりで、翌日は腰のサイド、中殿筋が痛くて動けなくなります。このやり方はもう変えなければ、と思うのです、、。

では以下に4名のかたのレポートを掲載します。
少し長いですが、みなさんの素直な感想ですのでお読みいただけたらと思います。
紬塾は来年の開催は未定ですが、検討中の方はよくお読みください。

**************
程よい緊張感のある、刺激的な紬塾の日々が終わってしまうことを寂しく感じておりますが、これからは先生や同期の皆さまから得たヒントを、実践・実感することに取り組んでいきたいと思います。

着物(紬、木綿)や素材としての布が大好きです。
大好きな布を纏える着物(紬)が好きです。
着物(紬)を着なくても困らない時代に着物(紬)を着る意味はなんだろうか、なぜ着物(紬)が好きなんだろうか。
そんな疑問のヒントが紬塾にあるような気がしたのと、単純に中野先生の布をたくさん見たり触ったりすることができるのではないか、という下心が受講志望理由でした。

繭から糸を取らせてもらいました。ウェーブのあるゆらゆらとした糸で、
繊細なのに意外としっかりしていることに驚きました。

自然光のもと、先生の着物を2枚羽織らせてくださいました。
着物を見せていただいたときにすぐに脳内で「ピンク系」「オレンジ系」と分類しておりましたが、羽織ってみると、自分含めほかの参加者の皆さまも、二枚ともそれぞれに似合っており、草木染めの色の奥深さを感じました。

紐や下着、着物のお手入れ、アイロン、着物の引き受け方など実践的かつ自然な方法をたくさんご教授いただきました。



特に運針は、中学校の家庭科の授業以来で、私は裁縫が大の苦手です。
初夏の紬塾で糸を付けず針の動かし方の基本を教えていただきました。
次回の秋の紬塾まで期間がありましたので、夏の間は、赤い残り糸を付けて、
着物の紐に運針をして練習しました。急に上手くなるわけはなく、方向も縫い目もガタガタですが、運針ができれば、自分が思いついたときに、紐や伊達締めを作ったり、敷物に作り変えたりと、とことん着尽くすための工夫ができるという教えは、目の前の世界が広がる思いでした。
今は運針は練習で終わってしまっていますので、これから紐1本、作ってみようと思います。 
出来上がった紐に刺繍でもしようかしら、と苦手ながらワクワクしております。
註:上の画像はご本人から送られたもの

春夏秋冬を通じての紬塾、先生の取り合わせが自然で無理がなく、場とその季節の空気に馴染んでいたことが印象的でした。
『着ることは生きること、その人そのもの』という先生の言葉を先生の取り合わせを通じて感じることができました。

日常生活にある着物(紬)の景色がこれからも日本にあってほしい、と願ってやみません。
いかに素晴らしい着物(紬)であっても、美術館の中で保管されていては、着物(紬)の生き生きとした姿ではないように思います。

紬塾での学びは、きっと、私のこれからの着物(紬)との付き合い方の土台となります。
本物・より良きものを見分けること、実際に手と頭を動かす(使う)こと、
感覚や季節・美しさを感じる力を研ぎ澄ますために精進することを大切に、
1日でも長く、着物(紬)と付き合っていきたいです。
先生、ありがとうございました。(K.M.)

***********
6回にわたり、『紬とは?』から始まる『生き方』の勉強をさせて頂いた。
 
毎回のテーマが興味深くかつ「何となくわかっているつもり」の部分もあると思いきや、実は全然わかっていなかったという事実と、それをわからずに着物に接するのは恥ずかしいという気持ちが認識でき、
草木染や紬、着物に対する愛着が深まったと感じる。

特に2回、3回と進んでいく中、糸や織物の『色の深さ・奥行き』を見る目であったり、
『バイアスがきれい=堅牢性』といった『織物の風合い』を見る目であったり、具体的でわかりやすく教えを頂きとても貴重な体験であった。

また物を大切に使うということに始まり、自然環境をいたわる生活の知恵などからは、真のサステナビリティを
改めて考えさせられ、自分レベルの「やっているつもり」の甘さを突きつけられた気がする。
とことん使うの回で「小豆3粒包めたら布は捨てない」というお話を伺ったが、身が引き締まる思いがした。                                 

後半の帯や小物の取り合わせや色の選び方などは、長らく同じような視点できてしまっていたところから
まさに目から鱗が落ちたようで、『先入観を持たずに、モノを見る目を養う』新たなスタート地点に立てたようである。
 
最後の回で『着ることは社会との繋がり=他者との関わり』という先生のお言葉が印象的だった。
ある著名な洋服のデザイナーの自伝に「服は着ることによって自分らしさを表現できるツール」という意味の
文章があったのを覚えているが、そこに通じるものも感じた。
先生の御著書【樹の滴】のなかにある『着物は人の身体を包むもの、そして気持ちを支えるもの』という一文にも着ることの意味の大切な一面を納得できる。

毎回持ち回りで自分の中でのポイントを発表した、幸田文氏の著書「きもの」を読破することは根幹であり
紬塾のゴールとしての『ものを見る力をつける』入口のエッセンスが、物語全てを通してちりばめられていたと思う。
「きもの」の後半以降の描写で関東大震災の混沌の中
「肌をかくせればそれでいい、寒さをしのげればそれでいい、なおその上に洗い替えの予備が一そろいあればこのうえないのである。ここが着るものの一番初めの出発点ともいうべきところ、これ以下では苦になり、これ以上なら楽と考えなければちがう。やっと、着ることの底が直に分かった思いだが、これを納得したのは下町総なめのこの大火事にあったおかげなのだ。それにしても大きな損失に対して、あまりに小さい納得とはいえ、しかしまた逆に考えると、それほどのひどい目にあわなければ、着物の出発点は摑むことができないくらい、女は着るものへ妄執をもっている、ということでもある」
と主人公に考えを持たせている。

以上のように今まで自分のなかで着物とは、大好きなものであり、衣食住の一部のある意味スペシャルステージとして位置付けていた程度だったが、今回紬塾での学びを通して、もっと違う次元の大切なものに大きく変わった。

そして最後になりますが、ご指導いただいた『運針』練習はこの後の人生の課題の一つとなりました。 (O.Y.)   
                                
*********
紬塾へ通っていた友人の紹介で2015年の個展に足を運んだのが中野先生と先生の作品との出会いでした。
そのとき羽織らせていただいた着物は、優しい色合いで美しく、羽織ったとき優しくて温かい気持ちになり思わず笑みがこぼれました。そのときの気持ちは忘れられません。

そして2019年、やっと紬塾の申し込みをして学びが始まりました。
初めて伺った桜工房の和室からはお庭の木々が見え、自然の光の中に先生の織り機などがあり、家も呼吸しているようでした。先生の作品に通じる心地よい空間で、ここに来ただけでも参加できてよかったと思いました。

参加者の皆さんのお着物や着姿を見て、堂々と楽しんでいらっしゃることが素敵だなぁと思いました。
一方で、私は着付けを学んだことが少なく自己流だったことを不安に思ったり手持ちの着物に自信がなく、毎回緊張して参加しました。

学んだ中で変わったことは、自然への尊さを日々の暮らしの中で感じることが増えたことです。
その間に引っ越しをして、畑や庭仕事を始めたたことも大きかったですが、
畑も表面的に“自分がやっていること”に焦点が当たりがちになり、そこに満足してしまうようになるのですが、
紬塾に参加して、自分の目で見て、ひとつひとつ感じて、実践していくことの大切さを学び、
また先生の姿からも・・・上手く言い表せないのですが、深い学びをいただきました。

暮らしの中での違和感を見てみぬふりをしていたこと、乱暴だったなぁと思うこともありました。
とことん着尽くすの回だったと思います。古い繕い物(襤褸)の美しさを本で見せていただき、私も心から「美しいなぁ」と思いました。
そのとき自分でたのしくやっていた繕い物なども、みなさん関心を寄せてくださり驚きました。
人様に見せたら笑われると思って半分は恥じていたのですが、私も自信がないからと自分のやっていることを恥じることなく、真っ直ぐな目で見て、自分が納得いかなければもっと改めていけば良いことなのだと、思いました。

着物についても、人に認めてもらう必要もなく、ただどのような印象を与えているかという配慮や
今の自分だけでなく、自分がいなくなってからも引き継ぐ方がいるかもしれないことへの配慮など
他者に媚びるわけではないけれど自分のことばかり考えているわけではない生きる姿勢を中野先生のお話からも、ふとした瞬間からも、学ぶことができました。

また、和裁については妊娠出産で遠ざかってしまいましたが、学校で運針を習得できたことは本当に幸いだったと思いました。それもできるだけでは宝のもち腐れなので、日々の暮らしに活かしていきたいし、人には見えないところでもそのような時間を作ることが着物を着たとき周りに与える印象へも影響してくるんだろうなと、思っています。

紬塾に通おうと思ったきっかけにあった、中野先生のような自然体の着姿に憧れるけれど、どうしたらいいかわからないという疑問の答えは、何か知識を得ることで解決することではありませんでした。それでも、やっとわかったことがありました。大きかったのは、自分がずっと表面的なことに囚われて、深く真っ直ぐにモノを見ようとするのを避けてきたことに気づけたこと。そして、答えは一人ひとり違うということ。
自分の感性で、ひとつひとつ選んでいったことや日々の暮らし方が現れているのだということが、痛いほどわかりました。

紬塾で教わった中にはすぐ実践できることもありましたが、真似するだけで先生のようになれるわけではありません。これからの暮らし方をまた一から見つめ直し、自分の感性で着物と向き合っていきたいと思います。

また、高価で手の届かないと諦めて、拗ねてた部分もありましたが、それも本当に無駄な想いでした。
モノを見る目が深まったことで、今あるものへの扱い方、選ぶことに責任を持つことが変わったように感じます。
そしてこれから私が働くようになったとき、先生の作品を手に取りたいという想いで働くのも張り合いがあって楽しいだろうなと、希望を感じています。

先生の作品の背景にある、暮らし方、生き方、お人柄を知ることができ、自分の生き方を見つめ直し改める第一歩となりました。
また、一緒に学んだ皆さんとの交流も暖かく、お会いするたびに着物を楽しんでいこうと前向きな気持ちになれました。
本当にありがとうございました。(O.M.)

**************
紬塾での時間から

5月にはじめて先生と皆様にお会いして、あっという間の、でも、しっかりとした何かを感じられた、そんな「とき」を過ごさせていただきました。
それぞれの回での印象に残ったことをお伝えしたく思います。

第1回
この日、先生の作品を羽織らせていただいたのですが、緊張していてよくわからなかったというのが正直なところです。最後の回、いろいろ学んだ後なら、また違ったものがあったのかもと、せっかくのチャンスをなんと勿体ない、とあの日の自分を責める気持ちです。

印象的だったのが「心が動く瞬間をみつめる」との先生の言葉でした。
それこそが、私個人がここ数年、求め続けていて、取り戻したいと思っていることでした。
17年ほど前から東日本大震災の数年後までの約10年間、仕事と家事と育児と学生生活の4つの役割のなかで走り続けていた私は、その間に祖母と妹と父と母を亡くし、季節の移ろいや音楽や読書や、たのしいと感じる時間と力(余裕)を無くしていました。
最後に母を亡くしたあと、母を思い出す中で記憶がたどりついたのが母の着物姿でした。
このことは、第一回のそれぞれの着物との馴れ初めでお話ししたと思います。

この日に、先生が宗廣力三先生の作品集を見せてくださいましたが、作家物などにあまり興味のない私は初めて聞くお名前でしたので「へぇ、この方が先生のお師匠さんなのね」と淡々とした気持ちでいました。
ところが、この後日、私は「心が動く瞬間」に遭遇しました。日本民芸館に出かけたとき、こころ惹かれる作品がありそれがなんと!宗廣力三先生の作品だったのです。なんという偶然。それは圧倒的な力で、ものを観る力のない私にも素晴らしいと感じさせる布でした。

先生と出逢い、紬塾でお話を伺って、宗廣力三先生を知り、郡上紬という布をみて、わくわくするような「心が動く瞬間」を得ることができた、と今とてもうれしく思っています。

第2回
この回で、繭から糸と引き出したときのなんとも言えない気持は、一生忘れないと思います。なんと細い、なのに途切れずにするすると糸がでてくる、とても不思議でずっと引き続けたい心持ちでした。同時に、この細い細い糸を紡いで、それがしっかりした糸となり、反物となるまでのながい時間とひとの手と思いを想像せざるを得ませんでした。

この日、先生は「理にかなった“糸”の扱い、動作」というものがあると話してくださいました。このとき、私は、“糸”に限らず、ひとやものもその個性や特性に応じて対応するとそれぞれの良さがいきるという風に理解し、布を織るということは、もしかしたら社会のなかにあることと似ているのだなと考えました。
出来上がってすぐの反物(布)は、毛羽やかたさがあるが、長く着て、何度かの洗い張りを経て柔らかくからだに沿うようになることと、社会に出たての新人がいろんな経験を経て人間的深みを増すこととを重ねました。そして私自身がよい紬、愛される紬のように生きたい、なりたいと、考えました。

第3回
運針の回でした。
和裁を学んでいながら、運針ができない私はここで「基本の大切さ」というものを深く考えました。運針は頑張って練習しています。

この回で先生は「ほんとうに上手な人の縫った着物は、着心地だけでなく、解くことを前提に縫われている」と仰いました。実はこのことは、和裁中に何度かお直しを経験して実感していたことでした。
改めて先生からそう聞いたことで、相手の気持ちや行動を考える、目の前にいるひとだけでなくその先のもっと先にいるひとのことも想像して縫う、着物という洋服とは違う、繰り返し引き継がれていくことのできるものの、奥深さと、ひとへの思いやりを考えることができました。

第4回
着物の取り合わせの回。
この数年きものを着てきて、格や晴れと卦の違いをうまく理解できずにいたので皆さんの作った取り合わせをもとに説明いただけたことがとても勉強になりました。そして、私の取り合わせのとき先生が帯締めを別のものに変えられた途端、あっ!と思うほど素敵になったことがなによりも印象的でした。帯締めに限らず、小物ひとつ選ぶことがいかに大切かがよくわかりました。
引き算の美。色合わせだけでなく質感を合わせる。物の力をみて合わせる。
これがこの日の先生の言葉でこころに残った3つです。

似合わない地色のきものも、帯や帯締め、帯揚げに似合う色をつかうことで自分に似合うようにできますよ、というお話し、ここでも私はまた、あまり好きではない相手とも工夫次第でうまく付き合うことができるかも、と人間関係につなげて考えておりました。

第5回
実は、この日、紬塾へ着ていく着物を前の週に考えて決めておりました。それは、前回の取り合わせの回で教わったことを参考に考えて決めたものでした。
ところが、前日の金曜日のお昼ごろ、先生から「明日は、マイサイズを書いて持ってくるように」とメールが届き慌てました。決めていた着物は、着丈が短いけれど何とか着ているものでマイサイズとはいえないものだったからです。
夜、仕事を終えてから、改めてマイサイズで仕立てた着物を中心に取り合わせを考えました。この回には、先生の個展でいただいた『林檎で染められた帯揚げ』をお見せしたかったので秋田黄八丈の苅安色の着物で伺いました。黄八丈も草木染なので、事前に考えていた取り合わせよりよかったと思います。

この回で「着ることは生きること」という言葉がありました。
着ているものからそのひとの“人となり”が見えると。自分に自信がない私は、すこしドキドキしました。そして自信が持てるよう努力しようと思いました。

第6回
半幅帯の回
苦手意識があってほとんど締めたことがない半幅帯でしたので、YouTube でみた方法で自宅から締めて出たのですが、なんとなく背中が落ち着かない気持ちでした。でも先生が教えて下さった方法だとスッキリとして背中に違和感もなく、着心地よかったです。

見せていただいた蚊帳ふきんの補正と、先生が使っておられたアイロン台(マット)は、さっそく作ってみたいと思います。市販のアイロン台を使っているのですが 1 センチほどの高さがあり、また、幅が反物とほぼ同じで使いづらく悩んでいたのです。

この回で改めて、取り合わせについては頭で考えないで、無垢な目でまっさらな気持ちで美しいものをみること、と伺いました。そして、着物を着ることはひとの目に触れている、社会に関わっていることだとし自覚してきちんとしようと思うこととの言葉がありました。

当日の感想でも言葉にしましたが、紬塾で先生から得た学びは、まさにそのことでした。
ひとに優しく、自分にも優しく、地球や環境にも優しく、他者とのかかわりを大切にし、美しいものをみて美しいと感じ、自分中心ではなく全体を思い、大切に生きること。

紬塾に参加できたこと、このご縁に感謝しております。ありがとうございました。(T.K)


                       以上
 



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第6回 「上質の半幅帯を愉しむ・仕立について」―半幅帯結び・帯の仕立寸法について

2021年12月13日 | 紬塾’21~’25
HP着姿も更新中! 12/14追記

工房では現在個展にご都合のつかなかった方、改めてご検討中の方などにお越しいただいております。草木染帯揚げ、帯締めなどの割引もありますのでこの機会にお出かけ下さい。
12月18日までお受けできますのでHPお知らせからお問合せ下さい。

紬塾も今年度の最終回を迎えました。
最後は半巾帯の結び方、名古屋帯の寸法のことなど駆け足でしたがやりました。
頂いた帯が短く締めにくいということでお持ちいただきましたので、測ってみました。
確かに古い帯で柄付けも今とはだいぶ違います。9尺もない長さでした。
そこで太鼓から先に背中に背負う締め方をしてみました。


ポイント柄ですから前柄はなくなりますが、普通の結びと変わらないように綺麗にお太鼓を作ることが出来ました。前柄がなくとも普段着なら帯締めや帯留めを活かして愉しむのも良いかもしれません。全通柄なら問題ないです。

今の時代は何でも大きめの寸法になっていますが、体型によっても自分にふさわしいサイズを把握して注文できると良いですね。


半巾帯は文庫のアレンジと、吉弥結びをしました。
半巾結びは苦手な方も多いのですが、コツがわかれば便利なものですし、上質な素材ならお洒落着にも十分対応できます。
上の写真、文庫結びのアレンジ中。
羽根の部分を屏風畳にするとヴォリュームも表情も出てきます。

最後は紬にスチームアイロンも掛けてみました。
みなさんアイロンを掛けていいのか不安に思われているようですが、染色がしっかりした紬であれば当て布無しでも大丈夫です。スチームを生かし、強い圧迫は加えないように掛けると風合いもよくなります。注意点をお話ししました。
毎回幸田文著「きもの」も読み込みましたが、最後は私の感想を発表しました。また少し先で読み返すと新たな気付きもあると思います。
そして紬塾の一年を振り返り、最後まで盛りだくさんでした… (;^_^A

塾終了後は打ち上げもしました。
みなさんの気持ちもほぐれて和やかなひと時でした。
感想がとても面白かったです。感極まる方もいましたが、みなさんが自分の気持ちを飾らず素直に話してくださるところもよかったです。
紬の話もたくさんしましたが、日々の暮らし方も見つめ直しより良い暮らし、社会になってほしいです。

受講者レポートは次のブログでまとめてアップします。


上の画像は床の間の井上まさじさんのペンの手描き作品をご興味をもたれた方に説明しているところです。
必ず季節に合せたアート作品を床の間に掛けてみなさんをお迎えしています。
着物や着物を着ることはアートです。アート作品と向き合うように一枚の布と向き合えばいいのではないでしょうか?


写経のように淡々と毎朝の日課の仕事だそうですが、身体の動きやペン先の太細が微妙に揺れ面白い作品だと思います。自然発生的な下のインクだまりも模様になっています。
一生をかけてアートも着物を着ることや布を見る目も養っていきたいと思います。

来年の紬塾は開催が未定です。2月末までにはっきりさせますので、HP、ブログでご確認ください。


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第5回「自然で楽な着方」― 下着の揃え方・半衿の付け方・着物の仕立寸法

2021年11月25日 | 紬塾’21~’25
HP着姿も更新中! 12/4追記

工房では現在個展にご都合のつかなかった方、改めてご検討中の方などにお越しいただいております。草木染帯揚げ、帯締めなどの割引もありますのでこの機会にお出かけ下さい。
12月18日までお受けできますのでHPお知らせからお問合せ下さい。

勤労感謝の日は紬塾でした。
働けることに感謝した日でした…(^-^;

楽で自然で時間のかからない着物の着方をやりました。
下着類の素材や洗い方、三河芯に半衿を先に取り付けるやり方なども説明しました。


半衿付けの苦手な方は多いと思いますが、このやり方は最も簡単なのではないかと思います。私もあまり好きな仕事ではないですが‥


先に半衿を衿芯をくるむように取り付け、その後襦袢に襟肩開きのところだけまつり縫い、あとは大針か安全ピンでとめるだけです。
普通は長襦袢に三河芯を付け、半衿を縫い付けると思いますが、それでももちろんいいのですが、このやり方は縫うところが少ないのです。
衿芯ごと洗います。
差し込み式の衿芯はせっかくの着物姿を台無しにすると思います。風情がないです。

着付けは皆さんできる方ですが、意外と自分の着物の寸法などは初めに決めた寸法で、見直すこともなく着ているようでした。
なんというか、いきなり着付け教室とかで着方から入るというのは遠回りの始まりのようにも思います。
身近に適切にアドバイスをしてくれる人もなく、仕方ないかもしれませんが。

着物の寸法と着方についても少し話しました。着にくい着物の代表格が身丈が長い、身体は細いのに裄丈は長いでしょうか。
ジャケットの袖丈と着物の裄丈は構造が全く違います。
着物の本質を分からない人たちが関係者に多すぎます。

あと、単衣の紬などは身幅が広すぎると裾さばきが悪くなりますので、その辺も仕立て関係の方はアドバイスしてほしいです。
私は紬の単衣の裾さばきが悪いと思ったことないのですが、、。

着物や和裁の世界は本来はシンプルで合理的なものだったのではないでしょうか?そこに日本人の美意識が宿ってる。

私の着方を皆さんに見てもらいましたが、あまりにシンプルでえっ!という感じだったようです。私は着物のモデルさんではないので昔ながらの自然体の着方でいいと思っています。皺ひとつない木目込み人形みたいな着方は撮影用ならいざ知らず、街着にむしろ野暮、補正下着とか老けますね。。
作り上げたボディはなんとも不自然です。もちろん補正の必要な方もありますが、最小限にとどめたいです。

長襦袢に麻の伊達締め1本、着物にメリンス腰紐1本、短め胸紐1本、帯は仮ひもなしで結び、帯板はボール紙1枚、帯枕にガーゼは掛けない。以上です。
撮影用や礼装用の着方ではないのですが、普段街着にする程度ならこれで十分です。

また、染めの着物地と真綿紬地は同じ絹でも全く別物です。素材の違いで着方を変えるのも当然のことと思います。

今の時代は頭が先行、知識、情報ばかりで自分の身体感覚に欠けているように思います。それでいて知恵はないのです。(ーー;)
美意識や身体感覚は本来通じるものです。もう一度無垢な目でものを素直に観る、目を閉じてものに触れる。そういうことを最初の紬塾でも話したと思いますが、そこを気付き、鍛えないといい着物に出会うことも、いい着物姿になることも無理と思います。

次回、最終回になりますが、名古屋帯の関西巻きができないという方が多いようですので、なんでなのか?検証してみたいと思います。楽しみです。(^^♪


この日は、久米島に縞の帯を合わせました。
独立して間もないころに織った反物から作りました。
最初の個展で着物を揃える経済的余裕もなく、ツーピースにしたのですが、その残布とスカート部分を解いて、名古屋帯に仕立てました。写真は外光が強すぎて色が飛んでますが、産地の普段着とよく合います。
帯締めは緑を感じる青の寒色系を添えてバランスを取りました。

着物は少し古い時代のもので、以前にも書いたかもしれませんが、経糸が節があって素晴らしいのです。
呉服屋さんで、状態の良い上質の古いものも少し置いている店が以前あって、別件でお尋ねした際に棚の一番下にあるのを見つけ、見たときは今まで見てきた久米島とは違う糸質に釘付けになりました。
工房を維持するための支払いもあり、最極貧にあった時でしたが、とりあえず取り置いていただき、後に購入しました。八掛は茶がついていましたが、自分で濃い紫茶に染め替えました。

この糸を繰り、つむぎ、デザインし、絣を括り、染め、織り、砧打ちし、そして購入した方々への敬意をもって着続けたいと思っています。

HP着姿も更新中!



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第4回紬塾「日本の取り合わせ」――ものの力を合わせる

2021年10月12日 | 紬塾’21~’25
コロナ感染状況も今のところ、落ち着きを見せていますので、引き続き対策はしながら紬塾後半を再開しました。

みなさん元気に着物でご参集くださいましたが、なんと気温が29度以上の真夏日に近い暑さでした。
私も単衣紬に半襦袢、麻のステテコで汗対策をしました。みなさんも単衣の織りの着物でした。

このような気候が不安定な状況下では単衣の紬はとても重宝します。下着で調整して盛夏以外着ることもものによっては可能です。
単衣の真綿紬は長く着られるものとして見直されて良いと思います。

さて、毎回楽しみな取り合わせワークショップですが、内容詳細は19年度のブログをご参照ください。→

トップ画像は紬塾の「取り合わせを愉しむ」準備中の風景。(^-^♪

色や柄だけが取り合わせではなく、ものの力を合わせるということが一番大事かもしれません。
ものを見る力からつけていかないといけないですね。
そのためにも紬塾では蚕が吐き出す最初の1本の糸から見てもらっています。
色や柄ももちろん大事ですが、表層だけに目を奪われないで、ものの奥行き、深さを感じ取れるかどうかがいい着こなしに繋がるのだと思います。

今回のワークショップでもみなさんいろいろ気付きがあったようでよかったです!


今回も私は自分の肌、髪色にイマイチな着物を着てみました。こういう場合に帯や小道具でかなりカバーできることも話しました。
写真のピントが合ってなくて分かり辛いですが、ブルーグレー地に黒の柄の更紗の帯、桑染の薄灰緑の帯揚、焦げ茶の三分紐、緑の切子帯留め(小川郁子作)で私の肌に映りの良い色調を合わせました。
また、暖色の着物にグレー系の帯も似合わない着物の色をクールダウンさせる効果があります。
似合わないからと諦めないで、帯や小物でカバーしてどんどん着ましょう!

そのためには帯揚げを脇役と決めつけないで、いい一色を選んで時には主役に踊り出させても良いと思います。それは悪目立ちの意味ではないのですよ。
ビビッドな色をという意味でもありません。オフホワイトでもベージュでも深みのある色でなければならないし、帯揚げを主役にする取り合わせのコツもあります。
まず何を主にしたいか決めれば自然に生きた取り合わせになってくると思います。

11月3日~8日の個展でも帯揚げ70色ぐらいは出せると思います。
是非ご覧頂きたいと思います。







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