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中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第2回 紬塾「糸、色、織」― 紬織りの糸・草木の染色・織の映像を交えて

2025年05月29日 | 紬塾’21~’25
いつものように第2回の紬塾は「糸、色、織について」でした。

興味のある方は、昨年のブログを参照してください。とても大切なこと書いてあります。

その中に、
「身銭を切って買った反物の背縫いが割れてこられたらたまりません。
ワカメ(反物の耳側が波立っていること)になった反物はいくら上手な仕立士さんでもスッキリと仕立てることはできないでしょう。使い手がしっかりとものを見る目が無ければならないのです。」
と書いています。
今回のワークショップで糸を引き出してもらうこと、織り方の映像や私の洗い張りをしている紬を触ってもらうこと、自然光の中で色を見ることなどは、布を見る目を養う上でとても大切なことなのです。

この2回目の講義は紬を着るうえでも、作る上でもとても大切なことなのです。 

トップ画像は自然光の中で色糸を見てもらっているところ。
身近な植物から得られる自然の摂理にかなった色たち。
色とは何なのでしょう?



すぐ上の画像は、洗い張り済の紬の風合いを感じてもらうために、袖を触ってもらいました。
その前に、織りたての私の紬も触ってもらい、その違いもみてもらいました。
洗うことで毛羽もとれ滑らかさが加わります。


今回も風合いを見てもらうために、色褪せた浅葱色の紬を着ました。

作品集「樹の滴」の裏表紙にも使いましたが、自作の中から仕立てた最初の一枚です。
単衣で仕立て、着たきりスズメのように、この紬をどれだけ着たでしょう?
裾が擦り切れ5分ほど切り詰めました。
五十肩でお太鼓結びができなかったときにも、半巾帯を前で結んで着ました。
体調の悪い時にも着ていました。

普段着らしい紬を織りたくて、修業後、4~5反目ぐらいに織ったものです。
ただ、着物を普段に着るというよりも、おしゃれ着として、ドレッシーな装いが紬にも求められ、普段着的な格子をあまり織らなくなりました。

しかし最後に残るのはこういったさりげないものかもしれません。
さりげなく、でも深み、奥行きを持った紬は、織ることは難しいです。

この日は赤城の極太の残糸で織った半巾帯を締めました。
帯締めは、旧・むら田染織ギャラリー(現在の染織工芸むら田)で頂いたインドネシアのトンボ玉の帯締めです。
確か更紗の帯と一緒に買ったと思いますが、私の無地感覚の帯ともよく合うので、愛用しています。
善きものを長く使いたいです。飽きが来ません。

HPの着姿ページもよかったらご覧ください。
帯合わせのしやすい着物です。



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