夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
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《冬の1月の旅路》最終章 絹糸のような雪が舞い降り 《6》【2013.1.20.~1.25】

2014-01-17 17:10:45 | 旅のあれこれ
        最終章 絹糸のような雪が舞い降り

私たち夫婦は24日の快晴の中、十勝川の川沿い、十勝温泉の街並みを散策したり、 
そして札内(さつない)川が十勝川の大河にそそぐ近くに十勝中央大橋の歩道を歩いて渡ったりし、
数時間ばかり魅せられて彷徨(さまよう)ようにひたすら歩き廻ったりした。

そして3時少し前に滞在している観光ホテルに帰館した後、
部屋のベランダから山里の情景を観たりしていると冬場晴れから曇り空に変貌し、
まもなく右側からは絹糸のような霧状の雪雲が低地を覆(おお)いはじめて、やがて雪が舞い降り始めた・・。

何かしら札幌の郊外、十勝平野の奥地の糠平(ぬかぴら)温泉地で見てきた雪質と違い、
霧状のような雪が舞い降り、私たちは長らく見惚(みと)れたりした。

翌日の25日は旅の最終日であったが、ベランダから稀な雪質に魅了されて、
二葉ばかり撮ったりした。
             

その後、私はホテルの正面にある小公園の情景を記念に撮ったりした。
             
この後、私はホテルの正面入り口を撮ったりした。
                   
早朝からホテルの方たちが除雪車で、くまなく歩道や周囲の道路を除雪し奮戦していたが、
霧状のような雪が舞い降っている。

まもなくホテルのひとりが、正面入り口で除雪され、やがて一段落していた時、
私は声を掛けたりした。
『除雪されるのは重労働で大変ですねぇ・・
しかし私たち旅人にとっては、待ち焦(こが)れた雪舞う情景でして・・
何かしら昨年に札幌で見たスノー・パウダーのような雪質と違い、
やはり寒さの関係なのですか』
と私は言ったりした。

確かに帯広のこの時節は、日高山脈などの山なみに囲まれて、
積雪は少ないが、朝夕の気温はマイナス15度前後の厳冬であり、この寒さが雪質に関係しているのかしら、
このような意味合いの言葉を私は交わした。
そして私は、
『雪が降りますと、気温が高くなり、たぶんマイナス3度ぐらいの暖かい朝ですねぇ』
と言ったりして、ホテルのひとりに微苦笑されたりした。
               

私たちはチエックアウト後、ホテルのご厚意でマイクロバスで帯広駅前まで乗車した後、
雪は止み、昨夕から今朝までの新たな雪積15センチぐらい中、街並みは変貌して、
私は見惚れたりした。

その後、とかち帯広空港行きのバスを待っている間は、
駅前の『ホテル日航 ノースランド帯広』のコーヒーラウンジで過ごそう、
と私たちは話し合っていた。

そして駅ビル内で土産品を『六花亭』で買い求めた後、再び雪が降ってきた・・。
私たちは『ホテル日航 ノースランド帯広』に向う途中、私は大きな『長崎屋』ビルに本屋の表示が見えた。

この後、私たちは『ホテル日航 ノースランド帯広』のコーヒーラウンジに入り、
家内がコーヒーを飲んでいる間、
私は札幌で見たスノー・パウダーのような雪が舞降る中、『長崎屋』ビルにある本屋をめざした・・。

私は23日に緑ヶ丘公園の園内にある『百年記念館』を訪れ、
改めて十勝地方を開拓に貢献した人々の苦難が多かった人々を学んだりした。
そして何かしら思い込みの強い私は、この夜の夢の中で開拓に貢献した人々が出てきたのである。

このような思いで、何かしら書物で改めて学ぼうと思ったりしていたので、
本屋にかけ参じたのである。

許された短時間で選定した一冊の本は、
                  
松山善三・著作の『依田勉三の生涯』(ハースト婦人画報社)であり、
本書は1979〈昭和54〉年に潮出版社より刊行され、その後の復刻本である。

私は十勝地方を開拓に多大に貢献した晩成社を率いた依田勉三(よだ・べんぞう)氏を、
私が長年敬愛している映画脚本家、作家である松山善三(まつやま・ぜんぞう)氏が、
御存じで、しかも書物に著作され上梓していたことに、私は驚きながら買い求めた一冊となった。

そして私はスノー・パウダーのような雪が舞降る中、小躍(こおど)りしながら、
家内が待っている『ホテル日航 ノースランド帯広』のコーヒーラウンジに戻った。

そして私たち夫婦は窓辺から雪が舞降る情景をコーヒーを飲みながら談笑した。


やがて私たちは、とかち帯広空港行きのバスに乗車し、
雪が舞降る広大な雪原を車窓から眺め、これこそ冬の圧倒的に魅せられ北海道の情景だ、
と私は高揚しながら家内に小声で話したりした。
                            《終り》

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