夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
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裏磐梯、この時節は粉雪舞ふ日々の中で・・。【12.1.15.~1.18】 第4回

2012-01-19 17:17:42 | 
       第3章  この地域の雪に思いを馳せれば

私は『裏磐梯猫魔ホテル』に滞在していた3泊4日の間、
お風呂には朝食前の6時過ぎ、夕暮れ前の4時前後には毎日入浴したりし、
そして夜の8時過ぎには、二日目と三日目に入ったりした。

いずれも大浴場で身も心もゆだねて、温まった後、大浴場の片脇から階段を降りて、
露天風呂に入ったりした。
二日目の日は、粉雪も止んで、露天風呂の縁取〈ふちどり〉りの岩には、積雪があり、
前方に高い松が数10本が囲まれ、そして雑木林越しに氷結した檜原湖が観え、
夜空には月が煌々と光を帯びていた。
私はぼんやりと湯につかり、長らく見惚〈みと〉れたりしていた。

そして三日目の夜は、粉雪が舞ふ時に、たまたま露天風呂に入っていた。
暗い天上から音もなく舞い降る粉雪を眺め、前夜と様変わりした天候に微苦笑したり、
こうした粉雪に頭の毛や顔に受けるのも、なかなか機会がないからなぁ、思ったりしていた。

しばらく粉雪を受けていると、この地域の付近で、過ぎ去った日に雪の降る情景が想いだされた・・。

私が50代の初めの頃だったので、今から15年以上のことであり、
雪の舞い降る会津地方の情景を観たくて、確か2月の中旬だったと思うが、
付近の芦ノ牧温泉の旅館に予約して、家内と共に夫婦の旅を2泊3日で訪ねた。

上野駅より東北新幹線で郡山駅で下車した後、在来線に乗り換えて、
会津若松駅に降り立つと、雪が降ることの多い会津地方なのに、快晴で雪跡もなく、戸惑ったりした。

その後、県立の公園を散策している時、急に雨が降ってきた。

近くにお茶を賞味できる店があったので、
家内と雨やどりのように、濃茶と幾つかの和菓子を選定して、私たちは味わったりした。

その後、冬の冷たい雨は、本降りのようになったきた。

『お客さま・・通り雨ですから・・直ぐに止むと思われます・・』
と仲居さんから教えられた。

そして私は、地酒の弐合徳利を注文し、庭先の雨の降りしきる庭園を観ながら、
ゆっくりと味わった・・。

家内は薄茶と和菓子を味わっていた。

こうして、45分過ぎると、雨はあがった。

その後、芦ノ牧温泉の旅館に到着した時は、三日前に大雪は降ったが、
除雪はされて清々しい雰囲気であったが、私たち夫婦としては少しばかり落胆していた。

この夜に私は大浴場で湯に入っていた時、
たまたま見知らぬ60代の男性の方と言葉を交わしていた時、
この方の知人が、喜多方から更に新潟県に近い県境の付近にお住まいで、
この時節は毎夜のように雪が降るので、しばしば屋根などの雪おろしし、
もとより旅行などで家を空けることはできない、と私は教えられたりした。

そして私たち夫婦は芦ノ牧温泉地で初めて朝を迎えた時、
周囲の風景は雪一色に染められていた。

少なくとも30センチは越えていると思われ、
たった一夜の間に積雪の多いこの地方の冬を改めて実感させられた。

そして快晴となった積雪り中、私たち夫婦は付近の里山の小路を散策していた時、
突然に風が吹き、雪は這い上がり地吹雪のようになり、私たちは5分ぐらい立ちすくんだりした。

その後の日中は、日本酒の酒造処めぐりをして、
屋根の軒下、出入り口の軒下も積雪の中、氷柱〈つらら〉を観たりして、
この地域の寒さ、そして天候の激しい変貌に驚いたりした。

そして徳利の形をしている最中などを買い求めて、勤めている職場の土産として、
多くの方たちより好評を受けたことなどを、
私は懐かしげに想いだしていた。

そして髪の毛が粉雪で濡れて冷たくなったので、露天風呂に別れを告げて、
大浴場で心身温まろう、と私はゆっくりと足元を確かめながら歩いた。

                                《つづく》

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