夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

『樹木葬』への思い・・♪

2005-07-21 10:05:00 | 定年後の思い
私は、以前にもこのブログに綴ったことがあるが、
40歳を過ぎた頃から、年を重ねるたびに『樹木葬』への思いが強くなった。

読売新聞で7月14日付で『家族』第三部《きずなのリセット》と題した特集記事がある。
転記させて頂きます。

千葉県・外房の大原町にある天徳寺。
6月はじめ、車で2時間離れて小見川町の笠原正行さん(61歳)、由紀子さん(58歳)夫婦は、
墓地の一角にハナミズキの苗木を植えた。

いつかは二人の遺骨は、その根元に埋められ、ピンクの花が咲かす木が、墓標となる。
いわゆる「樹木葬」を夫婦は、生前予約した。

三女家族と同居し、老後の不安はないが、「墓」には悩んだ。

夫婦ともに新潟県生まれ。
三男で会社員の正行さんは、岡山、茨城と転勤し、昨年に定年退職。
12年前、居を定めた千葉県に地縁はない。
長女、二女も結婚しており、「笠原家之墓」を建てても無縁になるだろう。

継承者がいなくてもいい樹木葬には、娘も反対しなかった。


少し離れたキンモクセイは、神奈川県・相模原市の68歳と67歳の夫婦が植えた。

元・公務員の夫は、徳島県出身。
両親の位牌を抱えて、十数か所を転勤し、法事のたびに見知らぬ土地で寺探しに苦労した。
「死んでまでも娘二人に、苦労をかけたくない」。
キンモクセイは、お彼岸の頃に咲く。
「あの芳香で、思い出してくれたらそれでいい」

以上、新聞記事で二つの家族の思いを転記させて頂きました。

私の場合は、地の者であるが、子供がいなく、墓を建った所、生者の慰めでもあり、
親族に迷惑を掛けるので、思考したりした。

40歳を過ぎた頃、別所温泉に温泉滞在をしていた時、付近のお寺を散策した。
お寺の隣あわせに里山を切り開いたように、緩やかな傾斜のある広大な墓地があった。

そのはずれに小高い丘があって松林となっていた。
苔に覆われた墓石が横たわっていたり、松の葉で埋もれかけた墓石もあった。
無縁の墓地に木漏れ日が地上を彩っていた。
私は、これが土に還えるなだなぁ、と家内に呟いた。

こうした思いから、通常のお墓でなく、
無縁仏に近いことを考え始めた。

ここ数年前頃、岩手県のあるお寺で、樹木葬を知り、家内に言った。

「俺が先に死んだら、花巻温泉で静養し、気が向いた時でいいから、お墓には寄ってくれればよい」

お墓といっても、そこには私共の好きな樹木のひとつがあるだけである。


コメント
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