Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

バーバー(The man who wasn't there) (2001年)

2012-06-06 08:09:08 | 映画,DVD,ビデオ


コーエン兄弟の映画。2001年の作品だが設定は1949年らしい。白黒の映画。

ストーリーが複雑だ。

主人公エドが勤める床屋に来た客(企業家で同性愛者)がドライクリーニング事業のパートナー・出資者を探していた。エドは興味を持つが金を持っていない。
エドは妻ドリスの浮気相手デイヴ(デパートの雇われ社長、デパートは妻の父が創業)に匿名で脅迫の手紙を出す事を思いつく。一万ドルを要求するとデイヴは悩みに悩んだ末に一万ドルを払った。その金はデイヴが支店を開設して自分の立場を強化するための金だった。エドの妻ドリスはデイヴのデパートで経理をしていてデイヴの横領を手伝っていた。

企業家はデイヴとドリスの不倫の現場のホテルに泊っていて、デイヴはそこで企業家に見られたと思っている。デイヴは投資を断ったから企業家が自分を脅迫してきたと思い暴行して吐かせた(そしておそらく殺した)。エドが企業家のパートナーとして事業に参画しようとしていた事を知り、デイヴはエドをデパートに呼び出してエドを絞殺しようとするが、逆にエドに殺されてしまう。ドリスはデイヴ殺害の容疑で逮捕される。裁判の打ち合わせの中でエドは妻の不貞を知っていた事をドリスと弁護士に告げる。エドは自分の犯行だと告白するが弁護士は取り合わない。ドリスは公判が始まる直前に自殺し、裁判は終わる。

いろいろあるが略。

企業家の死体が湖から発見され、契約書にエドのサインがあった事でエドは企業家の殺害容疑で逮捕される。能力の高い弁護士を雇えず求刑通りエドは死刑となり電気椅子で...。

占い師やUFOも出てくるが俺は消化不良のため理解出来ていない。

『バートン・フィンク』や『ファーゴ』同様にストーリーに起伏というものがあまり感じられず、盛り上がりというものがあるような無いようなという感じである。淡々としたクラシック音楽が全編を通じて流れているせいでクライマックス的な場面がそう見えない。地味な場面に感じられてしまうのかもしれない。主人公エドが寡黙だし表情豊かでもない。チェーンスモーカー的にたばこを吸い続けるのも場面の強弱を消し去る効果があるのかもしれない。

デイヴの殺しの犯人はエドなのだがドリスが死んだ後捜査は行われてないようだ。
ドリスがなぜ自殺したのかについても誰も考えようとしない。
企業家殺しはエドという事になっているが、契約書にサインがしてあっただけでアリバイや凶器などを調べて様々な可能性を想定して捜査した様子はうかがえない。
エドは企業家を殺していないはずだがさしたる抵抗もせず電気椅子に送られる。
この映画でも疑問点が放置、観客に丸投げだ。

DVDの特典コメンタリーの中でコーエン兄弟はこの映画のテーマを語っている。『甘い言葉に気を付けろ』、『ロリコンに気を付けろ』、『運転中にしてはいけない事』などを挙げている。質問には期待されているだろう答えを返すらしいからどの程度本当なのかはわからない。
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