ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

ケータイショップは多すぎる

2010-09-08 09:10:05 | 経済
最近、携帯電話と充電器が相次いで壊れたので、AUのショップに2度行った。その際に近くでどこにケータイのショップがあるかを調べてみると結構あちこちにあることが分かった。ドコモ、AU、ソフトバンクでそれぞれ各駅に一つずつくらいある感じである。

そしてショップの中は比較的空いている。一人当たりの接客時間が長いので、それほどガラガラという印象は無いが店の開店効率は良くないはずである。そもそも、こんなにショップが必要なのだろうか?

私自身、ショップに行くのは2年に1回、それも殆どがヤマダ電気のような各社の機種を取り揃えていくところである。ドコモショップのような特定のオペレータのショップに行くのは5年に1回くらいではないだろうか?

故障した時の修理などはショップに行くほうが安心感があるが、幸いこれまで故障は殆どなかったので、行く必要は無かったのである。全体としてケータイのショップはいつも空いていて、まだまだ効率改善の余地があると思う。

普通なら、ショップに過剰感があれば店を減らすはずである。それが減らないのはオペレータ事業がそれだけ利益が大きく、少しでも顧客を増やすことが大きな利益につながるからだろう。オペレータが利益が出るのは規制事業だからだと私は思っている。通信オペレータは本質的には設備投資産業である。携帯電話でいえば基地局に対する設備投資が巨大な額に上ることと、電波免許が参入障壁になって、競争が抑制されており、利益が出る構造になっている。

利益の源泉は技術進歩で基地局の価格は低下して、能力は上がる。これは主に半導体技術の進歩によるものでそのイノベーションを生み出しているのは半導体メーカとそれを使う基地局メーカである。しかし果実はオペレータのもとに転がり込む。それはメーカは世界的競争にさらされているからである。

オペレータが儲かるのが必ずしも不公平だとは思わないが、規制事業が他の事業に比べて高い利益率を生み出していることに対して、国はもっ考えるべきだろう。具体的にいえば生み出された利益が投資家の配当に流れるだけではなく、国民全体の良くに立つ方向に流れることを考えるべきだと思う。

この私の考えは社会主義的側面がある。実際にはうまくいかないモデルなのかもしれない。うまく回る方法を見つけられないのなら一層競争を激化させるべきだろう。NTTの分割議論やJRの分割、電力会社の構成などを見ても日本のこの種の規制産業、設備投資産業は地域分割であり、実態は地域独占である。これでは競争にはならない。

JRの例でいえば東日本で列車で旅行しようと思えばJR東に乗るしかない。今更私鉄がJRと競争できるような鉄道ネットワークを持つことは非現実的である。それならばJRを市単位で分割し、それを2-3社に再統合する。東京23区はJR-A社、川崎市はJR-B社、横浜市はJR-A、千葉市はJR-Bという具合である。こうして私鉄との相互乗り入れ等も各社が独自に決めるようにすれば、もっと競争環境が出来上がるだろう。NTT分割についても同様である。NTTをこのように分割すれば、将来は相手に地域に独自で光網を建設するなどの競争環境が出来上がると思う。