ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

ドルは基軸通貨から外れるか?

2008-03-17 09:42:43 | 経済
ドル安が続いている。放送などで1ドルいくら、と放送しているが、一ドルいくらになったから円高、という相変わらずの表現である。

現在の状況はドル安であって円高ではない。このあたりにも日本のメディアの対応力になさが現われている。イギリスBBCのホームページなどを見ると、円と、ドル、ユーロ、ポンドの相互関係がすべて記載してあり、状況がつかみやすい。

これだけドルの価値が下落してくると、企業は契約をドル建てではなくユーロ建てにしたくなるだろう。私はこの種の統計は調べていないが実体としてはかなりの契約がユーロ建てに動いているのではないかと思う。

ところで、為替が変動すれば損をする人も出るし、得をする人も出るはずである。だれが得をするのかを考えてみた。 まずアメリカからモノを買ってドルで支払っている人たちである。ウィンドウズなどはドルで払っているのだろうから日本のパソコンメーカーなどは儲かっているのだろう。

それ以外は農作物だろうか。しかし、農作物は全体が高騰しているので儲かっているというよりも、値上げの抑制になっているという程度だろう。新日鉄などが鉄鉱石の値上がりを言っていたがこれなども助かっていいるのかもしれないし、オーストラリアやブラジルとの契約によっては助けになってはいないのかもしれない。

アメリカの輸出企業などはこれで一息ついているのかもしれない。しかし、アメリカの車が買われないのは価格のせいではないような気もするので、あまり影響はないのかもしれない。

こう考えると、アメリカがこれからインフレに向かうのは確実な気がする。インフレになれば庶民の暮らしは苦しくなるので次の大統領は大変な苦労をすることになるだろう。そうするとドルの価値はますます下がるだろう。 1ドル90円くらいまではいくのではないかと思う。

アメリカ政府の対応によっては1ドル80円もあるかと思う。もし1ドル80円まで行けばドルは基軸通貨の地位を失い、ユーロが決済の基軸通貨になるだろう。90円で止まれば、ユーロ中心だがドルとユーロの併用という時代になる感じがする。