備忘録として

タイトルのまま

歴史3題

2009-12-05 21:52:38 | 話の種
 事業仕分けは面白かったが、スパコンの開発予算が凍結されたことをノーベル賞学者たちが厳しく批判した。その中で、ノーベル化学賞の野依教授が、「歴史の法廷に立つ覚悟があるのか」という表現を使い、”スパコンの開発の後退は日本の将来に禍根を残す可能性があるのだぞ。それを決定した人の見識は将来歴史に裁かれることになるのがわかっているのか?”と問うたのである。
 また数日前には、沖縄密約開示を求める裁判で、原告側証人として法廷に立った元外務省アメリカ局長の吉野氏は、これまで否定してきた沖縄返還のときにアメリカと日本の間に密約があったことを一転して認める証言をした。吉野氏は会見で、「過去の歴史を歪曲するのは、国民のためにならない」と述べた。

 野依教授に言われなくても本来政治家の決定や行動は絶えず国民の目と歴史にさらされているわけで、歴史に裁かれる覚悟のある人が政治家になっているはずである。公開で行われた事業仕分けは国民と歴史に裁かれることになるのである。ところが、政治決定や密約などが公開されない場合は、歴史の法廷でも裁かれないことになり、政治家や官僚が極めて無責任になる可能性がある。これを避けるためにも、吉田氏が言うように、アメリカと同様ある期間が経てば情報公開をする制度にすべきだと思う。

 奈良の纒向(まきむく)遺跡の発掘がすすみ、近くの箸墓(はしはか)古墳と併せて考えると邪馬台国の可能性が高いという報道が最近頻繁になされており、新聞に登場する研究者(近畿説の学者だとは思うが)のコメントも邪馬台国の蓋然性が高いとしている。北九州説の方がより説得力があると思っていたので、最近の報道に動揺している。こちらは歴史ミステリーである。

最新の画像もっと見る