備忘録として

タイトルのまま

La La Land

2017-05-06 18:45:30 | 映画

2017年アカデミー賞にノミネートされ話題になった『La La Land』と『Arrival』よりも、評価のあまり高くない『Collateral Beauty』と『Passengers』の方が面白かった。アメリカ人(ハリウッド?)とは違う感性を持っているということだ。エマ・ストーン、アイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンスと、旬の女優が演技を競う。ポスターはいつものIMDbより。

*****以下、ネタバレだらけなので要注意*****

『La La Land』2016、監督:ダミアン・チェイゼル、出演:エマ・ストーン、ライアン・ゴスリン、今年のアカデミー賞の話題作。女優を目指すミアと自分の店をもつ夢を持つジャズピアニストのセバスチャンが出会い恋に落ちる。お互いを愛し拘束することが夢の障害になることに気づき、ミアが女優になるチャンスをつかんだときセバスチャンは身を引きミアの背中を押す。数年が経ち有名女優になり結婚もしたミアは偶然彼の店を訪れるが、ミアはセバスチャンに声もかけず店をあとにする。それぞれの道が交わることはもうない。ロスのグリフィス天文台の場面など映像は美しいのだが、二人の感情の揺れに共感できなかった。★★★☆☆

『Arrival、邦題:メッセージ』2016、監督:デニス・ヴィレヌーブ、出演:エイミー・アダムス、ジェレミー・ルナー、こちらもアカデミー賞の話題作。異星人の宇宙船が地球にあらわれたとき言語学者のルイーズは異星人の言葉を解読するために呼ばれ、物理学者のイアンとともに異星人と交信し彼らが地球にきた目的を探る。異星人の言葉の解読に成功したルイーズは、彼らが友好的で、かつ未来を見る能力を有していることを知る。宇宙船は世界中に12隻出現し、それぞれの国が対応するが、中国は異星人に不信を抱き攻撃を開始しようとする。ルイーズは異星人の未来予知能力で中国軍総司令官個人しか知りえない妻の遺言を告げ彼の説得に成功する。ルイーズの見る夢が過去ではなく未来の出来事だということが伏線になる。イカかタコのような巨大な異星人の吐く墨の言語がユニークだった。異星人との交流とコミュニケーション過程が、アカデミックな根拠があるのか気になった。映画は淡々としすぎていて、ファーストコンタクトの盛り上がりに欠け、もうひとつ物足りなかった。★★★☆☆

『Collateral Beauty、邦題:素晴らしきかな、人生』2016、監督:デヴィッド・フランケル、出演:ウィル・スミス、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイ、ナオミ・ハリス、エドワード・ノートン、マイケル・ペナ、娘を失くしたハワード(ウィル・スミス)は喪失感から生きる意味をなくしていた。広告代理店の共同経営者たちは彼を会社から追い出すための証拠集めに探偵を雇う。ところがハワードはLove、Time、Deathに手紙を書いていること以外まったく何もしていなかったし自殺願望も持っていた。会社の同僚たちは3人の劇団員を雇い彼の異常な行動を引き出そうとする。3人はハワードに近づき、Love、Time、Deathを演じる。一方、ハワードは肉親を失くした人々が集い悩みを語り合うカウンセリンググループの会に立ち寄るが、そこでも心を開こうとはしなかった。後日、ハワードはカウンセリングリーダーのマデリンと夕食をし、彼女の娘が亡くなったときの話を聞く。娘がまさに亡くなろうとしていたとき、病院の待合室で隣に座った老女が、”Collateral Beautyが訪れる”と話したという。Collateral Beautyは字幕では”おまけのご褒美”と訳されていた。マデリンは最初それを信じなかったが今はそれに気づいたとハワードに話す。ハワードは娘の死にBeautyなど訪れるはずがないと反論する。劇団員の言動や共同経営者たちの悩みなど、映画の主題に無理やり関連づけようとするエピソードのすべてがわざとらしく説教くさい。それらをそぎ落とし我慢して映画を見続ければ、最後にCollateral Beautyが訪れ胸が熱くなる。それでも、娘を失くした親の心情を見せる映画に、邦題の”素晴らしきかな、人生”はいただけない。★★★★☆

『Passengers』2016、監督:モルテン・ティルダム、出演:クリス・プラット、ジェニファー・ローレンス、マイケル・シーン、地球型惑星への移住を目指す宇宙船は、5000人の移住者と280人のクルーを冷凍カプセルで冬眠させ、自動航行によって120年の恒星間飛行を続けていた。航行中に隕石が衝突し、宇宙船に不具合が生じ、移住者の一人ジム(クリス・パイン)だけが30年目に冬眠から目覚めてしまう。再冬眠を試みるも果たせず、慰めはロボットバーテンダーのアーサー(マイケル・シーン)の給仕で飲むことだけで、残りの90年をひとりぼっちで過ごすことに堪えられなくなり自殺を試みるも果たせなかった。ジムは悩んだ末、冬眠カプセルの中に見つけた美女オーロラ(ジェニファー・ローレンス)を冬眠から目覚めさせる。オーロラには自分と同じようにカプセルの不具合で目覚めたと思い込ませていたが、ある日オーロラは、アーサーとの会話の中でジムが自分をカプセルから出したという真実を知る。オーロラは裏切られたことから激しく動揺し怒りをジムにぶつけ、二人は絶交状態になる。そんなある日、再びカプセルの不具合が発生し、クルーの一人ガスが冬眠からさめ、宇宙船の動力源に深刻な問題が生じていることが判明する。ガスは重度の病気のため宇宙船の修理をジムに託し亡くなる。宇宙船を救うためジムは自分の命をかけて動力源の修理に向かう。ジムの孤独と無償の行為、オーロラの動揺と怒りと許し、極限状態の宇宙船の中で二人の揺れ動く感情に引き込まれる。★★★★☆

『Allied』2016、監督:ロバート・ゼメキス、出演:ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール、1942年ドイツ軍占領下のモロッコで夫婦役を演じたカナダ情報局のスパイ(ブラピ)とフランスのスパイ(マリオン)が恋に落ち、ロンドンで結婚生活を始める。子供も生まれ幸せな生活を送る中、妻に二重スパイの嫌疑がかけられる。妻の無実を証明するために夫は妻を知る人間を必死で探す。夫に感情移入し、彼女が無実であって欲しい、彼女の愛が真実であって欲しいと願いながら観たが、最後衝撃の結末を迎える。★★★☆☆

『Assasin's Creed』2016、監督:ジャスティン・カーゼル、出演:マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール、遺伝子レベルの記憶を再現できる機械で、アサシン教団の血筋の男が15世紀の教団の首領とリンクする。先祖の技能を身に着け現代で自分を捕えた組織と戦う。アサシン教団の存在をマルコ・ポーロが東方見聞録で記録していることと、マリオン・コティヤールが出ていなければ観なかったし、観たことを後悔している。★☆☆☆☆

『Fences』2016、監督:デンゼル・ワシントン、出演:デンゼル・ワシントン、ビオラ・デイビス、スティーブン・ヘンダーソン、父親の息子たちや妻に対するあまりの独善的な行動についていけなかった。そんな夫の言動に耐え家族に寄り添って生きていた妻が、夫の裏切りに感情を爆発させる。妻役のビオラ・デービスの演技はアカデミー賞助演女優賞に値すると思う。★★★☆☆

『百日紅 Miss HOKUSAI』2015、監督:原恵一、声の出演:お栄(杏)、北斎(松重豊)、北斎の娘お栄のことを描いた杉浦日向の原作を漫画映画化したもの。北斎も北斎と同じくらい変人のお栄も描き方が甘いように感じた。自分の中で北斎像が出来上がってしまっている所為だと思う。そういう意味では観ない方がよかった。★☆☆☆☆ 


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