2015年、日本を訪れた外国人の観光客数は1973万7千人だったそうだ。もちろん、過去最多で、前年比47％増という増え方である。このうちの最大のお得意様は大陸、中国からの人で、499万人で、前年の２倍以上の伸びを示した。昨年１月にビザの要件が緩和したことが効果をあげたと思われる。まあ、浅草に住んでいる私には、この現象は身近である。浅草寺や雷門は言うに及ばず、吾妻橋や隅田公園も団体やカップルの旅行客であふれているのである。彼らが日本で使うお金が3兆4771億円という規模にまで、膨らんでいるので、もはや、無視できないというか、期待される一大産業になりつつあるのである。観光業というのは、これまでも、一部の国では、その国の一大産業であったのだが、日本ではむしろ、片隅の産業であった。観光に出かけていく国だったのである。それが逆転しつつあるようだ。観光業が盛んな国では、世界の皆さんとできるだけ仲良くしていかなければならない。シリアのように、これまで、観光業で栄えていた国も、ひとたび、ISなどのような勢力が浸透し、内戦状態になれば、観光客が途絶える。エジプトのような国も、観光地でおおがかりなテロが起きるとその数は激減する。日本人も、韓国との仲が険悪化すると、韓国を訪問する人は少なくなり、親日的な台湾に集中し始める。それほどに、観光業とはデリケートなものに影響を受ける。だから、そのような世界で、日本に、多くの人たちが来てくれることには感謝しなければならない。日本に来てくれる人たちの多くは親日家なのだ。(2016.1.19)
