確かに、私の舌は貧乏人の舌です。

阪急阪神ホテルズが運営する八つのホテルのレストランなどで出された料理で、メニュー表示と異なる食材が使用されていた出来事は、出崎社長の記者会見で、火に油を注いだ結果となったようだ。特に、出崎社長が「これは誤表示であって、偽装ではない」と力説すればするほどに、果たして、偽装ではないのかという疑惑が高くなったのである。ホテルの営業は信頼により成り立っている。テレビは面白い場面をつまみ食いするのも事実だが、それが悪いということではない。そいった性格を持った報道機関なのだ。そして、その影響力は強い。だから、出崎社長が誤表示を強調したと受け取られただけで、視聴者の多くが反発したのである。過去には、食材の偽装で、廃業に追い込まれたところもある。このニュースが大きくなったことで、他のホテルチェーンなども、こそこそと自分のところも、誤表示をしていましたと表明するところも出てきている。でも、たぶん「芝エビのXX」はおいしそうで食べたいとは思うけれど、「バナメイエビのXX」は名前的にはまずそうである。もちろん、私の舌は貧乏人の舌なので、「芝エビのXX」と出されたら、おいしくいただくことになるだろう。そして、そこが最も腹が立つところなのだ。この貧乏人の舌を見越して、優秀な料理人がこんな料理を出していたと思うとである。

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