コアラと言うのは偏食で有名なのだそうだ。コアラは毒のあるユーカリの葉を食べる。ただコアラが食べるユーカリは、600種類以上あると言われるユーカリの内、30種類に過ぎない上に、個々のコアラによって、食べるユーカリの葉と食べないユーカリの葉がある。嫌いなユーカリの葉を与えても、食べ残すのである。その影響は母親から受け継がれる腸内細菌にあることが分かり始めている。コアラの子は母親のフン、そこには消化されなかったユーカリの葉と腸内細菌が含まれているのだが、それを食べる。コアラだから母親のフンを食べるのだが、母親のフンを食べない人間でも、母親の腸内細菌は何らかの形で、受け継がれているのだろう。あれだけ愛情深く、赤ちゃんを始終、抱きしめていれば、どこかで、細菌を授受していてもおかしくない。腸内細菌が人間の体にとって、とても重要だということは、私もビフイズス菌の入った飲料を毎日飲んでいて、わかることだ。それが私たちに食べ物の好き嫌いや最終的には性格にまで影響するとなると無関心ではいられない。（くちなし亭、2024.06.04）
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