今年も、冬の足音を聞くころになると、喪中ハガキが届くようになる。だが、今年、不思議なことが起こる。最初は友人S氏からのものだった。彼の父親が亡くなられたのだが、その年齢は92歳だった。次に届いたのは韓国で教鞭をとるN教授からで、昔、私の家にも遊びに来た義理の母親が亡くなられたとの内容だったが、驚いたことに、同じく92歳だった。そこまでなら、偶然は重なるものだというくらいの気持で済むのだが、その後も、92歳が続く。大学のゼミの同期であったS氏の義母の死亡年齢も、会社の同期であったM氏の父親の亡くなられた年齢も92歳であった。こう92歳が続くと不気味になる。92歳という年齢はある意味、人間の厄年なのかもしれない。そういえば、私の父も長寿で、93歳で亡くなったのだが、それまで、あれ程に、元気であった父も、92歳の時に、ある店の中で、転び、以来、急速に衰えていった。その年の年賀状は、それまでの達筆がうそのように、蛇がのたくりまわるような乱れたものに変わったのだった。
Y-FP Office Japan
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