極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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和食と食料自給率

2018-08-29 18:38:45 | 日本社会

東北農政局、National Geographic、資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫氏談、ウィキペデア等々を参考(一部コピー等)に記していますが、自給率は市場価格ベースではありません。素人の内容です。

 

昨今の世界的な異常気象、一般的には異常気象では農産物は減産になると言われています。今後、食料の争奪戦等々が発生しても可笑しくない状況だとも言われています。先進国等にとって金で食料が買えない状況になった場合・・・先進国等では食糧問題は安全保障同様、極めて重要視されているようです。

WFP国連世界食糧計画によると、世界の飢餓(食糧不足によって栄養失調が続き、体調の維持が困難になっている状態)人口は8億1500万人で、現在でも穀物(植物から得られる食材の総称の1つで、澱粉質を主体とする種子を食用とするもの。)等の絶対量は不足していると言われています。2017年、世界51カ国で推定計1億2400万人が深刻な飢餓状態と言われています。「穀物」がどうして重要かその理由は、人間のエネルギー源となる炭水化物を多く含むことだと言われています。

私達が食べる食料は、日本で生産される農産物だけでは足りず、多くの食料を海外に依存しています。自国で消費する食料のうち、自国でどの位生産しているかの割合で表すものとして、食料自給率という言葉があります。

食料自給率は=自国生産の食料÷自国で消費する食料で表されます。

 

先進国の食料自給率

オーストラリア:223

カナダ:264

フランス:127

ドイツ:95

イタリア:60

韓国:39

オランダ:69

スペイン:93

スエーデン:69

スイス:51

イギリス:68

アメリカ:130

日本:38

(日本は平成29年度、韓国は平成28年、スイスは平成27年、それ以外の国は平成25年の数値です。)

 

日本では、平成37年度までに、食料自給率(カロリーベース)を45%に上げることを目標にしていると言われています。

自給率を上げるは・・・

生産する人は消費者の好みを考えて生産

私達は米等の農作物を多く食べる努力をする。

残飯を減らす等々

 

食料自給率トップ10には、アフリカを除いた各大陸の農業大国が名前を連ねています。
金は無いが食物は多いと言われる東南アジア諸国・・・生産された米は、穀物不足のアフリカにも運ばれています。日本は、恐ろしいような食料自給率は38%で、3人弱分に1人強しか賄えないことになります。

私達は異常気象が続けば、将来世界の食料生産は激変する可能性が極めて高いことを認識すべきです。例え、金があっても買えない状態が起きるかも知れません。生産国は、当然自国民を優先するでしょう。自国民を犠牲にしてまで他国に輸出はしないでしょう。

私達は穀物ばかりを食べているわけではなく肉、魚、野菜等も食べますが、これらの大部分は輸入に頼っています。1960年代は、日本の食糧自給率は70%を超えていましたが、現在は38%・・・イギリス、ドイツも低かったようですが、45年間で日本を上回っています。
農業分野では世界で強力な発言力を持つ、穀物生産大国アメリカ等・・・穀物メジャーはダイズ、トウモロコシ、コムギ等穀物の国際的な流通に大きな影響を持つ商社群で1990年代は5大穀物メジャーにより世界の穀物流通の70%が扱われています。有名なモンサント社は、全世界の種子のほぼ100%を管理、完全に穀物等をコントロールし、人類を支配しているとも言えると思います。

考えてみたら世界の7人に1人は十分な食料を得られません。農業分野のこれらの巨大企業は、支配の手段として遺伝子組み換え農産物の拡大、種等の特許で私有財産として手中にしており、更に人々が種を保有できないよう自由貿易条約を拡大させています。これらの最終段階として、種の出来ない種を作り出すターミネーター・テクノロジーを開発しています。もう一部の巨大企業は人道上も問題がある食料の支配を手中にしています。

カーギル・米国、コンチネンタル・グレイン・米国、ルイ・ドレフュス・仏、ブンゲ・オランダ、アンドレ・スイスの5大多国籍巨大穀物商社等は自前の超高性能農産地監視用人工衛星を保有し、世界中の穀物種類の作付け状況、生育状況を日々細かく監視し、当事国の国家戦略物資・外交、価格等に反映していると言われています。更にスーパー・コンピューター等を馳駆して現代のみならず未来世界の穀物生産等を予想し価格等をコントロール、未来人類の生存権さえ握っていると言われています。エネルギー同様、穀物を支配することは世界の支配を意味するとも言われています。

 

今日、世界は太陽異常によって異常気象になっています。

世界の人口が増えていく中で穀物価値は益々高くなるはずです。日本など食料自給率の低い国は更なる高価格で食糧を輸入することになると思いますが、異常気象等で穀物が取れない場合、当然生産国は自国民を優先しますので、日本はいくら金を払っても輸入できない可能性があり、恐るべき事態を招く可能性があります。日本は穀物(とうもろこし等)や水産物は世界1位、牛肉は世界2位、豚肉、小麦、大豆、バナナは世界3位の輪入国です。過去、日本の魚介類の自給率は113%位で、現在は50%以下と言われています。

食料に関しては、「金はあるけど、食物が日本に無い」が日本の現在の姿だと思います。今後、更に新興国の需要拡大等により、世界では絶対量食糧供給不足により大きな問題が起きると思います。2050年・・・世界人口は90億人と予測され、食糧問題は綺麗ごとでは済まなくなり、紛争等が起きても可笑しくない思います。

 

人口1億人以上の国の

穀物・自給率

中国:100%

インド:98%

米国:132%

インドネシア:89%

ブラジル:91%

パキスタン:112%

ロシア:99%

バングラデッシュ:95%

日本:28%

ナイジェリア:84%

メキシコ:64%

(総務省「世界の統計2007」、農林水産省「平成17年度食糧自給率レポート」)

政府は日本の厳しい現状の食料問題をもっと真剣に国民に分かりやすく説明すべきです。他国に日本人の半分以上の生存権が握られている現状も・・・食料を安定供給できる体制を作らないと、日本の未来も他国に生存権を握られ、大きな国益を失い続けるでしょう。

 

先ずは、穀物備蓄の拡大

輸入先の多角化

国内農業資源をフル活用

日本の米備蓄は約90万トン、米1トンで1年間養うことのできる人数は大人6~7人程度と言われていますので、今の米備蓄量ではすぐに底をつくでしょう。

隣国、中国では絶対的不足を想定し、食料安全保障戦略という政策を進めています。2013年末,中国は食糧安全保障戦略の転換に踏み切りました。主食用穀物のコメ、小麦の位置づけを飼料穀物や油糧種子と明確に分け、食糧安全保障の重点を主食用穀物の絶対的自給に置いています。一方で,主食以外の食糧は可能な範囲で国内生産するものの、不足分は輸入に依存する方針を示しています。1996年に打ち出した、食糧の95%自給戦略の全面見直しで、輸入を食糧供給の重要な一部に位置づけています。穀物備蓄については需要5億トンとし、そのうち3億トンの備蓄設備を設け2億トン以上の穀物を確保しています。日本の場合、一時的な不足に備えているだけです。

日本の輸入穀物はトウモロコシの75.5%、小麦52.9%、大豆61.6%(2012年)と米国に大きく依存、日本人の生存権が依存されています。アメリカが輸出制限をすれば日本はたちまち食料不足・・・新興国の輸入拡大している現状では一局集中を避け、ロシア、ウクライナ、中南米などに輸入先を広げておく必要があると言われています。

私達が理解しなければならないのは、「穀物等輸出国は基本的に、自国の国内需要を優先させ、余ったものを輸出します。」

対し、「自給できない国は必死で輸入しようとします」、争い等を避ける意味でも輸入先の拡大が必要と思います。供給量が足りないと価格変動が極めて大きく動くことになると思いますが、最悪買えない場合があります。これらの厳しい影響を避けるためには日本国内の自給率を上げることが大切だと思います。

 

不思議なのは、日本の食料事情は可笑しいように思います。

国内では毎年1000万トンの穀物を生産、80%以上を占める米は供給過剰です。1970年代以降、トウモロコシ、小麦、大麦など計3000万トンの穀物を常に輸入しています。食料品は2000万トン位は食べ残し、賞味期限切れ、加工の過程で捨てられています。日本の食料自給率39%、他の先進国と比べても格段に低いです。何故、このような状況でしょうか?

原因のひとつに米の減反政策

減反政策とは主食米の価格下落を防ぐために政府が米の生産量を調整し、減反に協力する農家に10アールあたり1万5000円の補助金を出してきました。1970年開始以来、40年以上続けられてきました。結果、耕作放棄地の増大を増やしてしまったとも言われています。政府政策で転作した場合の奨励金を設けてきました。

米は比較的作りやすい農作物、小麦、他の作物に転じるのは要技術で生産性が得られなかったようです。補助金が出るなら無理に作る必要がない、農家は米以外の作物への生産意欲を喪失、農地を放置、荒れ放題、悪循環です。米国の戦後対日策の一つ、「米国からの農産物の輸入」・・・農産物利権・パン食、牛乳消費等キャンペーン、対日輸出策は大成功だったかも知れません。

1955年、日本は米国から提案された粉食(パン)奨励、定着化促進のため11の事業計画を作り、実行しています。
(以下の金額は1955年当時の金額で、現在の金にすると20倍以上のようです。当時の日本の経済情勢は厳しく以下の金額が巨額であることが分かります。)
*学校給食でパン、牛乳等普及拡大・5000万円
*小麦粉等製品の宣伝映画製作、配給・3400万円

*粉食奨励の全国キャンペーン・1億3000万円
*全国の保健所・PR用展示物等の設置・2100万円
*小麦食品改良、新製品開発費・2100万円
*キッチンカーの製作等費用・6000万円
*製パン製造者養成講習・4000万円
*生活普及員、小麦粉料理講習会補助・2200万円

*キッチンカー運用等作成費・1500万円
*専任職員の雇用・1300万円
*食生活展示会等開催・1000万円
当時の総額4億円以上の巨額の金が日本へ活動資金として渡り、主食である米からパンへ変える徹底的な教育等が行われています。
以来、子供達はパン、タマゴ、牛乳、乳製品、油料理を好む欧米スタイルになってしまいました。当時の日本人は年間1人あたり「150Kg」の米を食していましたが、現在は「60Kg」以下です。戦後日本は、自国民を犠牲(他国に依存)にして来たとも言えそうです。

「自給率、農業問題は日米問題」であると思います。

戦後文献等を見れば、日本は戦後GHQの対日農産物輸出策等により大きな影響を受けてきたと言われています。米国は戦後、特産品である農産物の日本輸出(小麦、牛乳等)を最大の目標にしてきました。今の日本は戦後農業の本質を見抜けなかった、利権のため反対出来ない構図があるかも知れません。日本が主権国家として国益を守るためにはNO、言うべきは言う国家となるにはどうしたらいいか、答えは自ずから出て来るように思います。

今のままでは、日本人の半分以上の生存権は永遠に他国に握られ、最悪有事には多くの餓死者がでる可能性さえあると思います。日本は他国にNOと言えない状況を自ずから作っていると思います。日本人の首を日本人が絞めていると言う笑うに笑えない状況だと思います。

直接、生存に関わる食料問題、米、魚を中心とした日本食の見直しは今でも可能と思います。米、魚を中心とした和食は、世界一の食べ物であることは万国の人達が理解しています。よく理解していないのは日本人だけかも知れません。


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