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ザ・ルー・レヴィ・トリオ

2005年10月30日 23時23分42秒 | JAZZ-Piano Trio
 私がスタンダード・ナンバーを好きになった十数年前(確かバブルの頃)、そのきっかけとなったのは、50年代にエラ・フィッツジェラルドが収録した一連のソング・ブック・シリーズやライブ盤だった。大編成のオーケストラをバックに瀟洒なサウンドでもって構成されたソング・ブック・シリーズも良かったが、縦横無尽にスタンダード・ナンバーをインプロヴァイズしたライブ盤も負けず劣らず素晴らしかった。こうしたライブ盤ではヴォーカル+ピアノ・トリオ+α程度ほとんど最小限の伴奏で収録されたものが多いのだけど、中でも「エラ・イン・ローマ」は、かの大名盤「イン・ベルリン」と並んで、高いテンションとリラクゼーションがいい具合にバランスした好作品だった。

 ルー・レヴィはそこでピアノを弾いていた人である。前述のとおりエラのライブは極めて小さな編成のパフォーマンスだったため、ピアノは歌伴の中核的な役割を果たしていた訳だけれど、「エラ・イン・ローマ」でのルー・レヴィはリズミカルなブロック・コードでの伴奏を中心に、エラのインプロヴァイスされた歌にに当意即妙に飯能市、機動力抜群演奏をしていたのが印象的だったが、このアルバムでも彼のそうしたリズミカルで軽快なピアノが楽しめる。演奏している曲はお馴染みのスタンダードばかりで、いかにもウェストコースト・ジャズ的な明るく、スポーティーな演奏で押し切っているのもいい。私はウェストコースト・ジャズというのはどちらかというと、好みではないけれど、これはこれで趣向というものだと思う。ライナーには「ウェストコースト・ジャズのオーバー・シーズ....」みたいな記述があるけれど、全般にタイトなリズムで、ぐいぐいと演奏を進めていく雰囲気は「オーバー・シーズ」を思わせるものがある。
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