ドン・セベスキーといえば、60年代のverveやCTIといったイージー・リスニング系ジャズ・レーベル(というかクリード・テイラー)のハウス・アレンジャーとして、ウェス・モンゴメリーやジム・ホールなどのアルバムの編曲に当たったことで有名だが、アレンジャーが今のように看板アーティストとして認知されていない60年代の彼が手がけた作品、例えば「アランフェス協奏曲」(ジム・ホール)とか「サンフラワー」(ミルト・ジャクソン)あたりは、今の感覚ならほとんどドン・セベスキーの作品といってもいいようなものだったと思う。
このアルバム、そのドン・セベスキーが98年に発表したドン・セベスキー名義の作品である。ビル・エヴァンス・トリビュート作ということで、多分日本で企画された作品だと思うが、経緯はいかなるものであれ、私のようなセベスキー・ファンには、彼の健筆をふるったソロ名義作品が聴けるだけてもうれしい限りである。基本的にはマーク・ジョンソンとジョン・ラーバラもしくはマーティ・モレルとエディ・ゴメスというビル・エヴァンスゆかりリズム隊+ビッグ・バンドが主体で演奏されている。全編に渡ってピアノが不在なのがミソで、木管楽器を数多くフィーチャーした独特なん色彩感を持ったビッグ・バンドのサウンドと、ソリストとしてラリー・コリエル、デイブ・サミュエルス、ニュー・ヨーク・ヴォイセズ、リー・コニッツ、ジョン・ピザレリといった多彩なメンツを割り振ったあたりが、ドン・セベスキーの腕の見せ所となっている。
曲としては冒頭の「ワルツ・フォー・デイビー」の新古典派の室内楽みたいな管楽器のアレンジがオヤと思わせるし「ソー・ホワット」はお馴染みのモチーフをセベスキー流にビザレリのヴォーカルをフィーチャーしたタイトル曲(セベスキーのオリジナル)がまるで数十年来のスタンダード・ナンバーのような格調高い旋律をもったウォームでラブリー作品で聴き物だ。全体的にverveやCTI時代のような俗受けする瀟洒さやダイナミックさや派手さがもう少しあってもよかったと思うが、これはセベスキーの年齢のせいもあるだろう。非常に洗練されてはいるが、やや通好みなハイブロウというか渋い作品である。
このアルバム、そのドン・セベスキーが98年に発表したドン・セベスキー名義の作品である。ビル・エヴァンス・トリビュート作ということで、多分日本で企画された作品だと思うが、経緯はいかなるものであれ、私のようなセベスキー・ファンには、彼の健筆をふるったソロ名義作品が聴けるだけてもうれしい限りである。基本的にはマーク・ジョンソンとジョン・ラーバラもしくはマーティ・モレルとエディ・ゴメスというビル・エヴァンスゆかりリズム隊+ビッグ・バンドが主体で演奏されている。全編に渡ってピアノが不在なのがミソで、木管楽器を数多くフィーチャーした独特なん色彩感を持ったビッグ・バンドのサウンドと、ソリストとしてラリー・コリエル、デイブ・サミュエルス、ニュー・ヨーク・ヴォイセズ、リー・コニッツ、ジョン・ピザレリといった多彩なメンツを割り振ったあたりが、ドン・セベスキーの腕の見せ所となっている。
曲としては冒頭の「ワルツ・フォー・デイビー」の新古典派の室内楽みたいな管楽器のアレンジがオヤと思わせるし「ソー・ホワット」はお馴染みのモチーフをセベスキー流にビザレリのヴォーカルをフィーチャーしたタイトル曲(セベスキーのオリジナル)がまるで数十年来のスタンダード・ナンバーのような格調高い旋律をもったウォームでラブリー作品で聴き物だ。全体的にverveやCTI時代のような俗受けする瀟洒さやダイナミックさや派手さがもう少しあってもよかったと思うが、これはセベスキーの年齢のせいもあるだろう。非常に洗練されてはいるが、やや通好みなハイブロウというか渋い作品である。