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MAHAVISHNU ORCHESTRA / Inner Mounting Flame

2005年10月04日 23時01分15秒 | JAZZ-Fusion
先日、レビュウした「火の鳥」に先行する71年にリリースされたマハビシュヌ・オーケストラの第一作です。前回知ったかぶりしてあれこれ書いたものの、恥ずかしながらこの作品を聴くのは、多分これが初めてです。これまでも購入する機会はいくらもあったでしょうに、そうしなかったところを見ると、前回書いた中学時代のマハビシュヌ恐怖症が意外と影響していたのかもしれませんね(笑)。ともあれ、初めて聴くにしては、何か聴いたことあるようなないようなフレーズやリフが頻出するのは、おそらくここに収められた音楽のエピゴーネンがその後続々と現れて、似たようなフレーズを連打して、私がそっちを先に聴いちゃってるからでしょう。それだけパイオニア的な音楽だったワケですね。

 音楽的には「火の鳥」に先行する作品ということで、ほぼ同一線上の音楽といってもいいよう感じですが、この作品では「マイルス・バンドに入ったエレクトリック・ギタリスト」というイメージを自ら敷衍したのか、ロック的な歪んだ音色、フレーズ満載で、1曲目の「Meeting of the Spirits」からソロからいきなりジミ・ヘンを思わずギラギラフレーズを臆面もなく披露しているあたりなかなかおもしろいですし、ファンキーな3曲目「Noonward Race」はイントロからけっこうロック的ダイナミズムが炸裂して痛快そのもの。8曲目「Awakening」の圧倒的なスピード感の中、レアード、ハマーに続いてやにわに登場するマクラフリンのソロの切れぐあいなどもう極めてロック的世界で、聴きながら中学の時、「火の鳥」じゃなくて、こっちを聴いていたらもう少しマクラフリンに対するイメージも違っていたかも....などと思わないでもなかったです。


 ついでに書けば、その後の作品に比べればではありますが、この作品ではいかにもマハビシュヌっぽいインド音楽的なテイストがまだそれほど濃厚でなく、比較的オーソドックスなジャズ・ロックのパターンで進んでいくあたりが散見するのもいかにもデビュウ作という感じがして初々しさがあります。2曲目のイントロなんかいかにも70年代初頭のオーソドックスなAOR的雰囲気です(AORという言葉は当時まだありませんでしたが)。ヤン・ハマーはこの時点では普通のエレピを弾くキーボード奏者で、その後の異種交配的音楽バトルに突き進んでいく獰猛さがあまり感じられませんし、リック・レアードもマクラフリンが持ってきた曲とアレンジに大人しくしたがっていると言う感じ。総体的にはこのアルバムではマクラフリンとビリー・コブハムの尋常ならざるテンションが全体の水準を大きく引き上げているものの、バンドとしての密度感のようなものや、オリジナリティという点ではその後のアルバムにちと劣るという感じでしょうか。 
コメント
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