Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

なるけみちこ/ワイルドアームス (Soundtrack)

2005年10月27日 20時34分48秒 | サウンドトラック
 <なるけみちこ(成毛美智子)>といえば、ゲーム・ファンの間では「ワイルドアームス」の音楽で有名です。「ワイルドアームス」といえば、リメイクも含め既に4作ほどあるわけですが、「ワイルドアームスの魅力のひとつ=なるけみちこの音楽」といわれるくらいに熱狂的なファンもいるほどです。このシリーズでは口笛をフィーチャーしたマカロニ・ウェスタン風なメイン・タイトルに置くのがパターンとなっていますが、これらの音楽を聴くと、「ワイルドアームス」の舞台となった砂漠化の進む荒涼とした世界を思い浮かべ、次に「あぁ、<なるけみちこ>だなぁ」と思うゲーム・ファンも多いのではないでしょうか。

 このアルバムは、シリーズ第一作のサントラになります。前述のマカロニ・ウェスタン風な音楽に加え、もうひとつの魅力であるウェットな哀感を感じさせる旋律、テクノ風に軽快な戦闘音楽などがまんべんなく鏤められ、既に<なるけみちこ>の魅力満載の作品になっています。もちろん、プレステ時代のゲーム音楽ですから、サウンド的には全て打ち込みシンセ+たまに生音でという構成でぱっと聴きにはチープそのものな訳ですが、仮にこれを全て生オケなんかでやったとしたら、逆にゲームの画面が負けてしまうでしょうから、これをシンセによる箱庭サウンドでやったのはむしろ必然というべきでしょう。
 また、<なるけみちこ>という人はゲーム以前にはTVの音楽などを担当してきたことにも関係あるのかもしれませんが、どうも壮大なスケールだとか、強烈な音楽的自我みたいなものはどうも苦手なようで、慎ましさだとか繊細な情感といった側面で優れて職人的というか本領発揮するです。そうした意味でもこの作品のような箱庭的なゲーム音楽には合うのかもしれません。いずれにしても、メインタイトルである「荒野の果てへ」にはそのあたりの魅力が凝縮されていると思います。

 それにしてもゲーム音楽というのは独特なものだと思います。ユーザーの好むと好まざるとにかかわらず、ゲームをやる度にメイン・タイトルや戦闘、あと街などの音楽をほとんど強制的に聴かせられることなります。場合によっては何百回も聴くことだってあるかもしれません。普通、音楽とはそうした聴き方はしないはずですから、この反復効果は悪く云うと、人それぞれの音楽の好みというか嗜好性みたいなものを麻痺させるような側面もあるんじゃないとすら思うんですね。このあたり深く考えるとなかなかおもしろい仮説がでてくるような気もしますが、これはまたいずれということで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする